欲深いのは悪魔か人間か１ (ページ41)

今日:111 hit、昨日:499 hit、合計:63,548 hit

・ページ41

「教室荒らし辞めたの？」

『荒らしてはないよ？』

「贔屓目で見るなら登校してるだけで頑張ってるし偉いと褒めるよ？
　だけど、教師としては問題行動が目立ち好きて指導すべき案件が多いのも事実・・・」

珍しく説教モードのシチロウ。

『あ、コレは好き！何使ってるの？』

聞き流し、試作の香水を確認するAにバラムは溜息を吐く。

「柑橘系が好きなの？もっと花のこっちとか・・・」

『類似の既製品に近いのは嫌ー私だけのオリジナルがいいの！』

「そっか、多分ねこの成分が共通してるから・・・」

『成程、ベースはコレに決まりで他は応用いける？』

「ん－、これをベースとすると限られてくるし調整が難しいんだよ？」

『ふぅ～ん・・・どこで採取してこようかな～あ、金剪の長が珍しい花を教えてくれたから・・・』

「羽毛回収がてら寄ってみる？飛行試験で何故、金剪の長と仲良くなるのか理解できないけど・・・」

『最近は元気いっぱいの子/弟について苦労話とか、集団生活の苦労話をする程度には仲良くなったよ？使い魔の件もアレだったら協力するよ？って言われたけど・・・反対されるだろうね～』

「そもそも再召喚で召喚陣破壊したから暫く無理だよ？」

『悪魔の血で召喚したら殺到しすぎて入口が狭かったのが原因らしいよ？私の落ち度ではないよ～』

「気を悪くしないでほしいんだけど、本当にキミは問題ばかりで目が離せないし楽しいよ」

『もうすぐ定期面談と検診だから、イライラが募るんだー八つ当たりしていい？』

「えー・・・」

ジャラジャラと香水を鞄にしまう。

「シチロウ限界だ・・・立入禁止のハズだが？」

カルエゴに睨まれるA。

『シチロウ先生の許可がおりたのでいいんですー
　それに上級生も何も言いませんでしたよ？』

「カルエゴ君、やっとここまで僕に懐いてくれたんだ。
　水をささないでほしい」

「・・・腹黒悪女だ、目を覚ませ」

「最初は警戒して悪態ばかりだけど、信頼されるとこんな愛らし・・・」

力絶するバラムの背に抱き着き髪の中に隠れる。
嬉しそうなバラムの表情に、カルエゴは口を噤む。

「後悔しても知らんからな、今朝は先輩の背に乗って登校してたぐらいぶっ飛んでるぞ」

溜息を吐くカルエゴに、バラムが頭痛薬と胃薬を黙って差し出す。