欲深いのは悪魔か人間か１ (ページ5)

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「貴様、校歌を歌わぬとは無礼であろう」

『人間美味しいって歌？馬鹿馬鹿しい』

隣に座るピンク髪の悪魔に注意され、Aは舌打ちして溜息を吐く。
キッと睨まれたが無視をする。

〈えー続いて・・・理事長挨拶・・・〉

「Aちゃーん！！入間くーん！！おじいちゃんだよー！
　・・・あれれ、離れて座ってるの？照れてるぅ？？」

両手をブンブンと振って嬉しそうなサリバン

『・・・。』

「実は孫が入学しましてね、これがもう、かわいくて・・・そんな孫と撮った１枚がこれです！！
　両手に華！もうね・・・ちょっ・・・メ！」

嬉しそうに自慢しながら特大ポスターを掲げるサリバン。
Aは自分の顔だけを素早く射貫き、公開を防ぐ。
サリバンが慌てて火種を消しながら、教師陣にAを見逃すように制止をかける。

「貴様が・・・」

先程絡んできた悪魔が唖然とAを見る。
Aは静かに舌打ちをする。

「まったく、Aちゃん恥ずかしがり屋さんなんだからぁ♡
　後ほどちゃーんと皆に配布します！
　よし！いいたいこと言ったからおわり」

『オペラ消去』

「え？嫌ですけど？そんな事より今は全校生徒分印刷で忙しいんで切りますね」

サリバンの奇行にイライラしながら、オペラへ電話するも即答で切られる。

「いくら理事長の孫であっても、式の最中に携帯はダメだろう」

『理事長の身内だから問題ない』

呆れたように注意されるが、興味なさそうに即答する。

〈・・・では、続きまして・・・新入生代表挨拶〉

「私の邪魔はするなよ」

スッと静かに立ち上がり、Aへと冷たく言い放つアスモデウス。

『首席殿でしたか、挨拶頑張って』

「貴様に譲られたのは不愉快極まりないが、挨拶は栄誉だからな」

揶揄う様なAに、嫌悪するアスモデウス。
周囲の騒音等聞こえぬようにアスモデウスは舞台へと歩き、Aは興味なさそうにサリバンへ抗議のメールを打つ。