欲深いのは悪魔か人間か１ (ページ38)

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「今日も一日元気に頑張ろうね☆・・・そろそろAちゃんのお迎え来たみたいだよ？」

いつも通りホームルームを終わらせたダリが、敢えて放置していた他クラス生徒を呼ぶ。

『私、首席で新入生にしては高位階(ハイランク)ですよ？あんなボロ教室嫌ですよ』

「僕個人としては大歓迎なんだけどね、決定権は理事長と・・・」

ズカズカという大きな足音が止まり、バーンと大きな音と共にドアが開く。

「自分のクラスも記憶出来んほどの阿呆だったかッ！」

『首席の私がどうして問題児扱いなんですか？どう考えても平凡無害でしょうに？』

鬼の形相で登場したカルエゴにヒッと怯える生徒達。
Aは悪びれずに抗議する。
カルエゴが怒りに震え、低い声を出す。

「ほぅ？入学式に理事長を魔術で攻撃から始まり、本日に至るまで問題を起こさない日が１日でもあったのか？あ”？？」

静かに悪行を述べながら、最後にAへ顔を近づけ凄むカルエゴ。

「わー、カルエゴ先生大変ですねー」

ダリがAの背を押しカルエゴに押しつけるように、教室から追い出すように押す。

『さっきは大歓迎って言ってたじゃないですか！？』

「僕には決定権ないから、ごめんね？バイバイ☆」

裏切者と振り返るAに、笑顔でダリが手を振って扉をピシャリと閉めた。
Aは盛大に舌打ちをし、カルエゴの怒声が廊下に響く。

「問題児クラス、大変そうだなぁ・・・キミ達の担任で僕、良かったよ」

ダリの言葉に穏やかな担任で良かったと生徒も思う。

『明日は別のクラスに挑戦するからいいですー
　初日に入室ドッキリで殺そうとしてきたから、返り討ちにしただけじゃないですか？
　毎朝殺ってらんないですよ！』

「流石に毎朝馬鹿をしてる訳じゃないだろう？」

『お互い嫌なんだし、私だけの特別クラスつくるのよくないですか？担任はシチロウを所望します！』

「シチロウを巻き込むな、アイツは暇じゃない
　出てくなら入間(あほ)も連れて行け・・・可愛い弟なのだろう？」

カルエゴの陰湿な笑みに、Aが心底嫌そうな表情で溜息を吐く。