欲深いのは悪魔か人間か１ (ページ4)

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「じゃっ新入生はあっちね！頑張って！」

「夜ご飯はご馳走を作ります！」

サリバンとオペラが素早く立ち去る。

『会場直行でいい？』

「はい！ありがとうございます！」

Aが怠そうに言い、入間は緊張したように頷く。

「Aさんはバビルスに来た事あるんですか？」

『入学試験で来てるでしょ？』

「試験？」

迷いなく歩くAに入間が不思議そうに訊く。
怪訝そうなAに、入間は首を傾げる。

『私は嫌な予感するから最前列に座る。自由席だけどどうする？』

「あっ・・・僕は、後ろの端っことか目立たない席に行きます」

Aが可哀想な子を見る目をし、香水の瓶を入間に手渡す。

『汗が出たら、すぐにつけて』

「あ、ありがとうございま・・・」

入間が頭を下げてお礼を言い終わる前にAは立ち去っていた。

「やっぱり、傍にいてもらえば良かったかな、でも、迷惑かもしれないし・・・」

入間は俯きながら空いている席に座る

「なんか・・・旨そうな、匂いする・・・」

「そう？」

大柄な悪魔が鼻を鳴らし、入間はドキリとする。
慌ててAにもらった香水をシュッと吹きかける。

「・・・気のせいだったか？」

「朝飯食わなかったのか？」

「いや、そういうんじゃなくて・・・緊張して腹減っただけか？」

ケタケタと笑いながら他の話題になり、入間は安堵する。
Aさんありがとうございます！
そういえば、Aさんどの辺りだろう？
見えるかな？
もっと怖い所かと思ってたけど、ちゃんとした学校なんだなぁ・・・