欲深いのは悪魔か人間か１ (ページ30)

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抜かった！！失態だ、このままでは・・・魔王になる前に・・・己はッ、死ぬッ！！
だが・・・

「・・・ただ、魔王(それ)が一番、カッコイイからよ！！
　悪魔に生まれたからには、その頂点に立つのが一番カッコイイのだッ
　己は・・・上を目指す意志を持たないカッコ悪い悪魔にはならない！！
　後悔などせん・・・野望に従い、ここに来た・・・！
　・・・己は、最後まで自分の意志を貫いたのだッ！！」

『らしいよ？』

「でも、僕はヤダ！！」

瀕死のサブノックが力一杯叫び、入間が庇う様に飛び降りる。

「特待生(いるま)！？どわ」

驚きながら入間を抱え、サブノックが攻撃を避ける。

『ちょっと待って、ストップ！黒いのはダメ！サリバンが怒るから待って！！』

「ギャース！ギャース！！」

「首席！？と・・・長の子供か？何故？？」

「えーと、上からサブノックくんが襲われてるのが見えてっ・・・その、つい、とびだしてしまったというか・・・」

「上って・・・」

『感謝も言えない馬鹿を・・・助けた価値は本当にあった？』

長へ背を向け、入間に手を差し出しながらサブノックを冷たく一瞥するA。

「でも、結局僕が助けられちゃったし」

入間がえへへと、照れたように笑う。

「状況がわかって敵に背を向けているのかッ！？」

『敵って誰？勝手に敵に仕立てないでもらえる？長に謝罪しなさい！！』

慌てるサブノックへ拳骨を落とし、Aが説教を始める。

「あ、そうだ！長さーん！
　お子さんの足はもう大丈夫ですよ！
　心配しないで！僕らも何もしませんから！ねっ！」

入間が両手を挙げて大きく振りながら叫ぶ。

「嘘だろ・・・」

長と子供が入間に頭を下げる光景に、サブノックが放心したように呟く。

『で、謝罪の仕方はわかる？』

「ヌッ・・・馬鹿にするでない！
　長殿、此度の己の身勝手な振る舞い・・・ここに陳謝の意を捧ぐ。」

羽根の付け根を捧げるように、綺麗な土下座をする。