欲深いのは悪魔か人間か１ (ページ14)

今日:180 hit、昨日:499 hit、合計:63,617 hit

・ページ14

「粛に！！」

使い魔召喚についてファンシーな教材が説明し終える直前に、カルエゴが叩き倒す

「・・・概要は以上だ
　羊皮紙は私の印が入った物を使うように・・・A貴様が配れ」

『は？』

「私物を持ち込んだ罰だ」

『は？』

静かに笑っていたAに八つ当たりするように、羊皮紙を押しつけるカルエゴ。

「不正があればすぐ分かるからな」

Aの手から嬉しそうに羊皮紙を受け取る生徒達へ釘をさすカルエゴ。

「A様ありがとうございます！
　先生、危険はないんですか？」

「愚問だ、使い魔の召喚は【隷属可能な種族を呼び出し使役する】
　もし使い魔が主人に刃向かえば・・・」

バチィと大きな音をたてて教材に穴があき、焦げた臭いが充満する。
ゴクリと生唾をのむ音、緊張感が生徒達へはしる。

「処罰(しつけ)が下る・・・それ程までに濃い血の契約なのだ
　心してかかるように」

羊皮紙を配り終えたAは笑みを浮かべる。

『もし、カルエゴ卿を召喚したら大人しく使役されてくれます？』

「あ”？？この私が貴様ごときに召喚等されるかッ！！」

『同種族の召喚実例がないだけで不可能ではないと思うんです』

「優秀といえど、餓鬼の発想だな・・・妄言で終わった貴様の表情が愉しみだ」

Aを鼻で嗤うカルエゴ。

『ええ、とても面白そうですね・・・とっとと、終わらせてくれる？』

「「大物ばかりだし、先に済ませて・・・」」

生徒達が我先にと召喚陣へ殺到する。
カルエゴが面倒そうに舌打ちをする。

「粛に！！並べ！結果は変わらん」

騒動を引き起こしたAを忌々しそうに睨むカルエゴ。

「本気か？」

アスモデウスがAに問いかける。

『どっちだと思う？』

召喚陣に殺到する生徒達を愉快そうに眺めるA。