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「こちらが本日召喚の儀式を行う部屋です」
アスモデウスが嬉しそうに入間へと語りかける。
入間は頷きながら周囲をキョロキョロと見ていた。
Aは壁際へと迷いなく歩き、一つだけ用意されていた豪華な椅子へ座る。
「一つだけなら入間様の席であろう？」
「ぼ、僕は立っているのが好きなのでお構いなく」
入間の言葉にアスモデウスが引き下がる。
「あの、その椅子って座っても大丈夫なんですか？」
入間が不思議そうにAに聞く。
「親衛隊の仕事でしょう。まずは身の回りのお世話をし信頼を得る策かと。」
椅子の上部を指さすアスモデウス
”A様専用”と書かれたプレートが目に入る
『みんな権力が大好きだからね』
好奇の視線を感じ、気怠そうにAが溜息を吐く。
ズカズカという大きな足音、ズドンと扉が壊れんばかりに開く。
「粛に！監督官の”ナベリウス・カルエゴ”である
この行事は常に私の担当だ・・・なぜか？
私が常に厳粛であるからだ
貴様等が使えないゴミか、はたまた使えるゴミかを判断する」
不機嫌そうに宣言するカルエゴが、気づいたようにカツカツと歩く。
「さっそく王様気取りか？」
椅子のプレートを捥ぎ取り、見下すカルエゴ。
Aが素早く椅子から距離をとった直後に、大きな狗が踏み潰し木片へと変貌する。
『血の気が多いですね』
「ハッ・・・口の減らない餓鬼だ、神聖なる儀式の場に私物を持ち込むな」
笑みを浮かべ睨み合うAとカルエゴ。
ゴホゴホと砂埃に噎せる入間。
「大丈夫ですか、入間様！？」
アスモデウスが心配そうに背をさする
初めて存在に気づいたように、カツカツと歩み寄る。
「例えば、祖父の威光を借りて栄えある場で下品な呪文を唱え
あまつさえ、その日に乱闘騒ぎを起こすようなゴミがいたら
即処分対象である」
Aとは対称的に青ざめ怯える入間
フンッと鼻を鳴らし視線を他の生徒へ向ける。
「・・・故に、出来の悪い者は、即刻退学処分とするのでそのつもりで」
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作者名：E | 作成日時：2024年1月11日 21時
