美しくなりたい全ての女の子へ 【ツイステ】

第20話 ページ22

ルークさんにタルトを渡した後、私は図書室へ向かった。

最近は美容へ使う時間が増えたから、勉強の時間が減ってしまっていた。その分はしっかり週末で取り返す。



『(時間との戦いだ…)』



美の難しさを改めて感じつつため息を漏らす。


図書室の扉を開け中に入る。

何人かの生徒は居たが、休日だからいつもより静かだった。




図書室の奥へと向かい、いつも私が自学するスペースで勉強を始める。



この落ち着いた時間が、私は大好きだ。




すると、トントンと誰かに肩を叩かれる。



アズール「Aさん。こんにちは。」



アズール君だった。

彼はオクタヴィネルの寮長。

彼と私は勉強仲間(？)のようなものだ。



『あ、こんにちはアズール君。どうしたの？』


アズール「ここの問題、教えて頂けませんか？調べても難しくて…」


『あぁ…ここはねぇ…』



こんな風に、たまに勉強を教え合う。

アズール君はちょっと怖いし嫌味なことろがあるけど、頭が良くて尊敬できる人だ。



『この問題は、束縛条件が働いて加速度が左右で逆になるんだよね。』


アズール「なるほど…。だからこの方程式か…。」



私は勉強が得意な方だけど、アズール君もとても飲み込みが早い。




アズール「！、解けました。ありがとうございますAさん！」


『ふふ、いえいえ。』



アズール君は満足そうにノートを眺めていた。




アズール「ふふ……やはり貴方の賢明さには拍手喝采ですね。」


『やめてよね、いつもは意地悪言うくせに。』


アズール「貴方の頭の良さ"だけは"尊敬していますよ。」


『一言余計なんだよなぁ…』



アズール君をじろりと睨む。



アズール「冗談ですよ。

そういえば近頃、図書室で見かけませんでしたね。図書室での勉強は辞めたんですか？」



『あ、違います。少し用事があって。』



アズール「用事とは…？」



アズール君に聞かれて、少し戸惑った。

もし話して、馬鹿にされたらどうしよう。
笑われたらどうしよう。




しばらく考え、ぎゅっと拳に力を込めた。





『えっと……実は最近、自分磨きを始めたんです。』

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