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第3話 ページ5

『あー、なんか疲れた。』


ぼふんっ、と自分のベッドに倒れ込む。

そして枕に顔を填めた。



"あんなジャガイモ知らないわよ。"



ヴィルさんの言葉が頭を渦巻く。




『そう…だよね……私なんて…』


何だか泣きそうな気分だ。



?「〜……〜〜!! …〜〜。」


その時、窓の外から誰かの話し声がした。



『この声……ヴィルさんだ!!』



私はガバッと起き上がり急いでカーテンを開けた。

そこにはトレイ先輩と話すヴィルさんの姿があった。


とても楽しそうに話している。




『あんな風に笑うんだ……』



その笑顔ひとつで、私を虜にさせるには十分だった。

でも今回は背中を見送ったりはせず、直ぐに私はカーテンを閉めた。



やはり、心が傷んで仕方がない。




『はぁ……私も……ヴィルさんとちゃんと話せるような人になりたかったな……』




ふと、全身鏡に写った自分を見る。


ボサボサの髪

ニキビだらけの肌

皮が向けてボロボロの唇



『…ははっ、ほんと酷い…』



思わず自嘲してしまう程醜い姿だった。

そりゃあ、みんなから悪口を言われて当然だ。

ヴィルさんに見て貰えなくて当然だ。




そっと鏡に触れ、ヴィルさんを思い出す。


私も……彼みたいに



あんな風に




『美しく……なりたいな。』



拳を握りしめる。


美しくなりたい。

いつか自信をもって、あの人とお話出来るような

誰にも、馬鹿にされないような



そんな人になりたい。





貴方の隣に行きたい。





その日私は、密かに決意を固めた。

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りんご - 自分に自信がなくっても変われちゃいますよね…!ツイステ関係なく一つの物語として楽しませてもらえました!!続きがとっても気になりますね!!私も主人公みたいに自分磨きやってみようと思います!!素敵な物語ありがとうございます!! (7月31日 16時) (レス) @page46 id: 7720c64697 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのだれか - アリアちゃんの姿ビフォーアフター欲し((((((まだ言うか あと大好きすぎる。俺のめっちゃタイプ (2021年2月24日 20時) (レス) id: 0560b64175 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 有川 なつめさん» 確かに真逆すぎるヒロインですね笑笑笑。そういう風に解釈とか考察とかもらえるの嬉しい…!ありがとうございます! (2021年2月22日 23時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
有川 なつめ - 一見みんなヘーゼル様だけじゃなくてアリアちゃんにも惚れてるやん、って思うかもだけど、この面では、2人が同一人物説は都合がいいよ。やっぱ美しいオーラはなかなか変わらないのかな? (2021年2月22日 22時) (レス) id: b1989a31af (このIDを非表示/違反報告)
有川 なつめ - この子ヘーゼル様の本名&昔の姿説だったらなんかエモいと思う。なんか監督生に、美は異性をねじ伏せるために使うものじゃないって伝えるためにまた名前と姿変えてNRCに戻ってきたのかも(んなわけないだろ) (2021年2月22日 22時) (レス) id: b1989a31af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:full. | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/  
作成日時:2020年11月9日 18時

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