SEASONS 《岩本

SEASONS…2 ページ2

『…っ』



岩本
『やんだろ？』


男
『お、おう！！！』








…案の定、俺が声を張り上げただけで
ビビってた奴らは
あっさりで。





岩本
『大丈夫か？』


『はい…』




岩本
『…じゃあ』




『あのっ…助けてくれたんですよね？』



岩本
『あ…まぁ』




怖がられてるだろうとも思い
早くこの場を去りたかったのに

次の一言で足が止まる。





『…ごめんなさい、私、目が見えなくて』



岩本
『え…？』





じゃあ…俺の姿はわかってないってこと？




『本当にうっすらしかわからないんです。
ほとんど…見えないので
声しか覚えらえないですけど

ありがとうございました。』




そう言って丁寧に頭を下げ

俺に背を向けた。






岩本
『待って…！！』



『えっ…』





…気づいたら呼び止めてた。



何故なのか。
この時はわからなかった。



本能的に…っていうか。




岩本
『…俺、岩本って名前。
高校生で…』



学校名と学年を伝えて


岩本
『…君は？』



なんて言い慣れない言葉で。

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