検索窓
今日:67 hit、昨日:40 hit、合計:66,574 hit

ページ4

.

Sakuma said


「…さっくん、?」


なんて声が聞こえたと思えば少し先に行った所にあるレッスン室からAは出てきた。


「…今日、仕事なんじゃないの、?」


そう言ったAの声は心做しか震えていて、俺を見つけると思いっきり抱きついてきた。


佐「…うおっ、」


身長差が約20cmもある俺らははたから見たら凸凹なんだろうな、笑。


「今日の昼公演、来てほしかったなんて言ったら迷惑だよね、もう過ぎたことなのに…、」


佐「…あはは、」


ほんとは舞台裏にいたなんて言えないや、


佐「それより、なんでレッスン室から出てきたの?」


自分でも分かりやすい、話の逸らし方をした。


「あ、さっくんが来てくれたらお願いしたいことがあったの。」


佐「ん?」




.






佐「え、?レッスン、?」


「うん、昼公演のときちょっとテンポ遅れちゃったの、」


佐「そう、なんだ〜」


Aに圧巻されたライブを思い出してみる。

…確かに、少し遅れていた気がする、。


「だから、さっくんに教えてほしくて…、」


そう言って、悲しそうな顔をしながら頭を下げたA。


佐「…」


別に俺に教わらなくてもAなら大丈夫だよ、だって今日のライブだって少ししくらいしか遅れてなかったし、全然気づかない程度の遅れだよ!


なんて思って口に出そうとするけど、Aはそんな簡単に諦めるやつではなかった。


佐「でも、佐久間さんが教えれることなんてないでやんすよ〜」


「…違うの、これは僕のわがままなの、。」


佐「え、?」


そう言うと、悲しそうな顔を上げ、しっかりと僕の目を見つめて、言った。


「…僕、さっくんのダンス大好きなの、入所したときも、もちろん今も」


佐「っ…、」


俺、なんでこいつに嫉妬なんかしてたんだろう、嫉妬なんか醜いものを。


そうだよ、Aは俺のダンスを真似していたくらいだった…、


佐「ごめんっ、Aっ…、」


「…え、やっぱり教えられないよね、僕のわがままなんかに付き合ってられないんだよね、」


佐「っ違う…、けど、Aっ、俺はスパスタだからねっ?」


「もちろん…!」




.


「っできた…!」


佐「良く、やったよ!A!」


そう言って、惹かれ合うように自然とハイタッチをした。


「でも、ほんと、さっくんのレッスンスパスタだったよ…笑」



もうクタクタ〜なんて汗を拭うAはすごくキラキラしていた。

知らないあいつ→←追いつけない自分



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
277人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:suger | 作成日時:2021年12月5日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。