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Sakuma said
「…さっくん、?」
なんて声が聞こえたと思えば少し先に行った所にあるレッスン室からAは出てきた。
「…今日、仕事なんじゃないの、?」
そう言ったAの声は心做しか震えていて、俺を見つけると思いっきり抱きついてきた。
佐「…うおっ、」
身長差が約20cmもある俺らははたから見たら凸凹なんだろうな、笑。
「今日の昼公演、来てほしかったなんて言ったら迷惑だよね、もう過ぎたことなのに…、」
佐「…あはは、」
ほんとは舞台裏にいたなんて言えないや、
佐「それより、なんでレッスン室から出てきたの?」
自分でも分かりやすい、話の逸らし方をした。
「あ、さっくんが来てくれたらお願いしたいことがあったの。」
佐「ん?」
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佐「え、?レッスン、?」
「うん、昼公演のときちょっとテンポ遅れちゃったの、」
佐「そう、なんだ〜」
Aに圧巻されたライブを思い出してみる。
…確かに、少し遅れていた気がする、。
「だから、さっくんに教えてほしくて…、」
そう言って、悲しそうな顔をしながら頭を下げたA。
佐「…」
別に俺に教わらなくてもAなら大丈夫だよ、だって今日のライブだって少ししくらいしか遅れてなかったし、全然気づかない程度の遅れだよ!
なんて思って口に出そうとするけど、Aはそんな簡単に諦めるやつではなかった。
佐「でも、佐久間さんが教えれることなんてないでやんすよ〜」
「…違うの、これは僕のわがままなの、。」
佐「え、?」
そう言うと、悲しそうな顔を上げ、しっかりと僕の目を見つめて、言った。
「…僕、さっくんのダンス大好きなの、入所したときも、もちろん今も」
佐「っ…、」
俺、なんでこいつに嫉妬なんかしてたんだろう、嫉妬なんか醜いものを。
そうだよ、Aは俺のダンスを真似していたくらいだった…、
佐「ごめんっ、Aっ…、」
「…え、やっぱり教えられないよね、僕のわがままなんかに付き合ってられないんだよね、」
佐「っ違う…、けど、Aっ、俺はスパスタだからねっ?」
「もちろん…!」
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「っできた…!」
佐「良く、やったよ!A!」
そう言って、惹かれ合うように自然とハイタッチをした。
「でも、ほんと、さっくんのレッスンスパスタだったよ…笑」
もうクタクタ〜なんて汗を拭うAはすごくキラキラしていた。
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作者名:suger | 作成日時:2021年12月5日 7時