僕の居場所 4【男主】 (ページ3)

今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:66,387 hit

追いつけない自分ページ3

.

Sakuma said

今日はAのソロライブの初日で、サプライズでばーん！って驚かしたいってあべちゃん達と話してて、事務所の人にお願いしたら快くOK〜ってしてくれた。

MCの途中に入って驚かすから、舞台からは見えない舞台裏に俺たちは待機していた。

渡「どうせなら、ちゃんと客席で見たかった…、」

なんて言うA大好きな翔太は置いといて…。

最初はポップアップからの登場で、うぉぉ！ってなって、

深「あ、A髪色変わってる、」

岩「あ、ほんとだ、かわいい髪色してる。」

佐「え〜いいなぁ、今度美容院であの髪色お願いしようかなぁ。」

あの白い肌があの髪色を目立たせていて、Aだけで別世界の人間なのでは？なんて思うほどだった。

先輩のカバー曲をやって、遂にAの作詞作曲のお披露目。

俺が作ったわけじゃないのに、めっちゃドキドキしてて、客席の様子を伺ってる、笑

ピアノの優しい音色がすぅ〜って耳に響いてきて、音域が広いはるだから出せる歌声で、俺の心はじわりと何かに包まれた感覚がした。

そして、遂にMC、

岩「…っし、行こう」

ってなったけど、聞こえてきたスタッフさんたちの声に俺らの足は止まった。

ス「どうしよう、このままだと、セトリ順にできない。」

そのことがAにも伝わったのか、舞台上のAは少し顔を歪めてから、

「…ちょっとお水、取りに行ってきまーす」

そう笑顔で言って、舞台裏に来た。

「…変えましょう、順番」

そう苦しそうに答えた。

そう言ったAは、スタッフさん達に指示をだし、自分でやることをやっていて、まるでアイドルとは思えないほどの対応能力で、なんだろう、素直に怖かった。

そこから俺らの出番ってなくて、でも自然と誰もがAに惹き込まれていた。

あんなに苦手だったタップダンスだって、あんなに上手くなって、自分が置いていかれている気がした。

「本日はご来場頂き誠にありがとうございました！」

そう言って幕は降りた。

深「夜公演の方ならいけるって、あと、スタッフさんごめんなさいって言ってた」

送迎バスが来ると、ふっかがそう言ったけど俺は何故か行きたいと思えなかった。

だけど、俺の足はAの楽屋に向かっていて、気づけば春川A様と書かれた部屋の前まで来ていた。

手を出しては引っ込めてを繰り替えしてるけど、扉を叩く勇気が出なくて、

「…さっくん、？」

そう声が聞こえた。