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一通り挨拶を済ませた阿部さんは、終わったからいいよね！と言わんばかりの勢いで楽屋に置いておいたノートをひっつかみ、メイク室へ向かっていった。慌てて追いかけるけれど、すでに集中モードになっていて、取り返すことは叶わなかった。
宇治原(以下宇)「あれ、なんかちっこい子がおる」
メイク室の入り口で待っていたらら中から出てきたのは宇治原さん。はー、本物…そして背がお高いことで…
A「あっ…私新しくSnow Manのマネージャーとなりました楠Aと申します」
宇「あー、阿部ちゃんの！てことはあのノートは楠さん？のなんや」
A「へ！？」
宇「なんかめっちゃ集中して読んでたからさ、聞いてみたらマネージャーさんのノートやっていうやん？覗いたらクイズに使えそうなことばっか書いてあんのに、阿部ちゃんに見るな言われてさー」
A「あっ…阿部が失礼を致しました」
宇「いや、ええねん。クイズプレイヤーとして今日は敵同士やからな、手の内は見せたらあかん」
A「はぁ…」
宇「けど今度、俺にも見せてよ。1冊やないんやろ？あれ」
A「まぁ…」
宇「阿部ちゃんが読んだことがないやつ、俺に見せて 阿「だめです」
聞こえてきた声に振り向くと、阿部さん。そのままつかつかっとこっちにくると、私と宇治原さんの間に庇うように立つ。
あの…もう前が全く見えません…阿部さんの背中しか見えません…
阿「楠さんは僕のマネージャーです。楠さんのノートは僕の物です」
宇「ええやんそんな、減るもんやないし」
阿「減るものではありませんが、クイズで戦うものとして勉強ノートを敵に見せるなどあり得ません。諦めてください」
宇「んー…そしたら今度、味方になるとき見せてよ」
阿「だめです！」
宇「つれないなぁ…そしたらこうしよ。今日の番組で、俺の方が順位が高かったら、1冊見せてよ。今持ってるそれでええから」
は！？なんでそんなことに！？
しかも宇治原さんなんて、もうクイズプレイヤーとしてめっちゃ有名かつ強いやん！？
いやいや、阿部さんそんな勝負受けたら 阿「わかりました、受けましょう」
宇「おっ、言うたな？」
阿「二言はありません。僕の方が順位が低ければ、このノートをお見せします」
いや、それ私のノートね？
宇「よし、楽しみやな。勝ちたい気持ちが倍になったわ」
阿「僕もです。正々堂々頑張りますよ」
なんか火花バッチバチだけど、それ、私のノートね！？
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年10月22日 14時
