勉強 ページ40
阿「へぇ……ほぉ……なるほどね…」
後部座席で私のノートを開きながら声を漏らす阿部さん。
そんなの見て楽しいのか…ていうか自己満ノートだからほとんど殴り書きだから字が下手！！
A「あの…読めます？字が…てか楽しいです？それ…」
阿「え？読めますよー！下手じゃないですよ、俺らの字より全然上手。内容も面白いです、知らないことが沢山書いてあって、すごく勉強になる」
A「ほ…ほう…」
阿「これ、次の収録が始まるまで貸しといてください、タイムリーなことも書いてあるから生かせるかも」
A「えぇ…」
そんなになのか？クイズ番組に生かせそうなことなんか書いてないよ…
阿「お！エリザベス女王の年表！めちゃくちゃいい！」
A「そんなに興奮します…？」
阿「するでしょ！」
車をテレビ局の駐車場に停めてもまだ阿部さんはノートに釘付け。降りますよ、もう！阿部さんの荷物をひっつかんで持ち出すと、その手を掴まれた。
阿「何してんの」
A「えっ…荷物を…」
阿「俺の荷物は俺がもちます。重い物女の子に持たせられません」
A「女の子って…私はマネージャーですし、なんなら年上…」
阿「年上でも、女の子でしょ？」
腰を曲げて私に目線を合わせて、なんなら上目遣いで小首を傾げてそんなこと…言うかね！もー！あざとい！ていうか、阿部さんがさっさと降りてくれれば！すんだ話でしょ！
荷物を持って歩いてるけどまた読んでるし…
A「阿部さん、読みながら歩くとぶつかりますよ」
阿「そんなヘマはしませんよ笑」
A「もー…」
えーと…阿部さんの楽屋…あ、ここか！
A「わっ！」
阿「おっ！」
楽屋を見つけて立ち止まると後ろから衝撃と共にのし掛かられる感覚。だから危ないって言ってるのに！！
A「阿部さん、どいてください」
阿「あっ、ごめんなさい」
それでも読むのをやめないし…
学んで！あなた頭いいんでしょ！
A「阿部さん、司会の方に挨拶いかないと」
阿「あっ、そうですね、行きます」
A「一旦やめなさい！」
阿「えっ…」
あっ、やば、怒っちゃった
もう一回怒ったら二回も一緒やな。
A「勉強したい気持ちはわかりますが、危ないです！私は潰されかけました！人にぶつかるかもしれません！やめて！」
阿「…すみません…」
しょぼん…とする阿部さん。そんな姿も可愛いかよ…けど離した今のうちに！とノートを取り上げ、挨拶へ向かった。
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年10月22日 14時
