期待した受信のお知らせ ページ38
付箋に用件を書き写しながら
電話の内容を所々思い出していた
もう一人の部下…って事は
二宮の事も知ってるのかな
しかも普段は
だって何度も“あ”って詰まって慣れないって言ってたし
また今度ね。って言ってたけど
バンクーバー支社と頻繁にやり取りするようなことないから
今度なんてないと思うんだけどな〜
天音先輩のデスクに付箋を貼って自分の席に戻り
残りの書類の仕上げに取り掛かった
結構残っていると思っていた仕事は
15分で終わってしまって
1課に残ってるわずかな人に
「お疲れ様です。お先に失礼します」と声を掛けてから
フロアを出たのは8時30分…
もっと掛かると思ったのに意外と早く終わったな…
駅に向かい歩いていると
♪チロチロリン
プライベート用のスマホがメッセージを受信した
二宮おつかれ、ごめん。金曜のビール、明日行かね?
Aおつかれ〜。私、まだ行くとは言ってないんだけどな。笑
でも、いいよ。Jizoでいい?
二宮うん。じゃぁ、明日よろしく〜
Aはいよ〜
一瞬…櫻井さんかな？なんて期待したけど、そんなはずなくて
せっかく交換したんだから、今日のお礼ぐらい自分から送ってもいいよね
ちょうど電車が来て空いていた席に座ると
手に持っていたスマホで文章を作成し始めた
あぁーでもない、こーでもない…
打っては消してを繰り返していると最寄り駅に着いてしまって
結局「お疲れ様です。今日はありがとうございました。」
と無難なメッセージを送信し、鞄にスマホをしまって電車を降りた
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作者名：二葉(ふたば) | 作成日時：2018年2月16日 23時
