めぐろくん、離れてください。２ (ページ26)

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だてさまページ26

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『舘様、お誕生日おめでとう！』

宮舘「ありがとう、A。」

今日は大切な大切なメンバーのひとり、舘様の誕生日。

舘様にはたくさんの場面で助けられた。

だけど、グループ結成された当初はなかなか話せずにいた。

…だから今日は、その時の話をしようと思う。

これは初めてメンバーと顔合わせをしたとき。

『倉橋Aです、……よろしくお願いします』

まばらに鳴る拍手。私はこのときが本当に嫌だった。

女なのにどうしてこの事務所にいるのか、グループに入れられたのか。

何一つもわからなかった。

ダンスレッスンでは動きにはついていけるものの、休憩はいつも一人で隅に座っていた。

横から聞こえる笑い声、私には消して向けられない視線。

メンバーとは一言もしゃべらず、ただ与えられたレッスンをこなしては帰る、その繰り返しだった。

メンバーはみんないい人だと分かっているから余計に自分がここにいることが許せなくて、

…やめたい、

と何度願ったことか。

はじめはみんな私に話しかけてくれたけど、絶対に無理して話しかけていた。

私が一人にならないように、私と気まずくならないように。

メンバーなりの優しさだと今なら思うけど、

当時はその優しさが、痛かったんだよ。

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