切り込み隊長、体調不良であります！ ［前編］

25 nb ページ25

▶side: nb

いつも元気120％な佐久間が、あそこまで弱ってるのを見たのはたぶん初めてで。


気持ちが先走って身体が追いつかないって、またいつものパターンかよって思ってみたりするけど、心配な気持ちは変わらない。




時刻は午前3時。


あっという間に眠りに落ちた佐久間のほっぺたは、暗くても高熱に浮かされて赤く染まっているのがはっきりとわかる。




眠りに落ちる直前に思い出した、寝起きドッキリの存在。

メンバーか、スタッフさんだけでもいいから、やっぱり佐久間のことをメールで報告した方がいいんじゃないか。



そう思ったけど、次第に思考も重くなって、そのまま眠りに落ちた。






「……ぅあ、なにぃー……っわ！」


誰かの声が聞こえて、意識が深いところから引き上げられる。



揺らめく思考の中、なんとかさっきの声の主が佐久間だってことを認識した。



向「寝起きのさっくんかわええ〜、ふふっ」
佐「んんー……どっきりかよぉー、もぉぉ」
舘「佐久間、まだ2人やってないからしー、ね」
阿「舘さまが一番楽しんでる」



こそこそと抑えられた声が子守歌みたいに脳内で反響して、またふぅっと意識が落ちる。


次の瞬間。


ぱんっ、と耳元で何かがはじける音が聞こえて、また意識が引き戻される。




佐「んひひっ、しょおた、はんのーしないねぇ」
舘「逆にこれで起きたらびっくりだけどね」



聞こえた佐久間の声に、深夜のできごとを思い出す。

佐久間が何か言ってる。俺の名前を、呼んでる。



はっと目を開けると、どアップの康二。

渡「……さくまっ、」



しょったくん起きたー、と騒ぎ出す康二を放って、佐久間の姿を探す。



また体調悪化した？
吐いてたりしたら今度こそ、＿＿……ここまで考えて、思考が停止した。

26 nb→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す