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44-あのね、ママ ページ44

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存在を確かめるかのようにぎゅっと強く私を抱きしめてくれる。
若干汗ばんだ肌に白いシャツが少し張り付いていて。





「……無事で、良かった」

「どうして、ここが分かったの…?」

「携帯の、GPS」





「こないだ一応入れておいた」なんてため息交じりに言う実弥に内心冷や汗をかいた。
何ていう危険察知能力だろう。まるでこうなる事が分かっていたかのように。

だけど、私は確信できる。そんなものがなくたって、多分実弥は私の事を見つけてくれていたと思う。
彼が助けに来てくれると分かっていたから、私はここで泣きださずに済んだのだ。





「……A」

「うん…?」

「お前から電話があった後、すぐに会いに行った」

「……?」





一体何の事か。主語のない会話に、彼の腕の中で首を傾げる。
……しかし、直後、その意味を理解した。





実弥の背中越しに見えた、車から降りてきた女性。
彼女は私を捉えて、固い顔を変えずにゆっくりと近づいてくる。

実弥が、私から離れて立ち上がる。
それに代わって、私の両肩を掴む華奢な手。





「ママ……」

「……A、どこも。…どこも、怪我はない…?」





下手に平静を装ったママの声は、若干語尾が上ずっていた。
私が頷いたのを確認すると、ママは瞬きと一緒にはらはらと水滴を頬に落とした。

ぎょっとした。ママのこんな顔、初めて見た。





「…良かった……! 本当に、良かった…ッ」

「ママ…何で、泣いてるの……?」

「自分の子供が危ない目に合って……心配するに決まってるでしょう……!」





眉間に深い皴を作って、私を抱きしめるこの人の愛情に、久しぶりに触れる。
いつの間にか小さくなっていた背中に手を回して、私も気づけば泣いていた。





「……ママ…!」

「ほんとに…無事で何よりよ…」





少し落ち着いて、ママは少し離れた所に立っていた実弥を見上げる。
ポケットに手を入れていた彼は、すぐに気付いて姿勢よく直立した。





「……娘を助けてくれて、ありがとう。
あなたは公務員だけど……あの人とは違うわ。
これからもAを、守ってくれるかしら」

「……! 必ず」





少し照れた顔つきで、だけど実弥は、優しい顔したママと同じ瞳でそう言った。
私を介して二人が喋っているのが、何だか凄く恥ずかしくて、思わず格好いい顔した実弥から目を逸らしてしまう。





落ち着いたママの様子を見て、私は少し震えた声を絞り出した。
「あのね、ママ」





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k - おそらまめさあああああああん、、(4回目)いや、あの最高でした。胸きゅんってこういうことを言うのですね、、やはり実弥のかっこよさは最高ということですね。(?) (6月15日 23時) (レス) @page46 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 赤の他人で恐縮ですが言わせてもらうと文才すぎやろ〜才能爆発やん!の二言です。ありがとうございます。はい。 (2022年10月6日 22時) (レス) @page46 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 39ページ 舌を見ると の 舌 は 下 ではないでしょうか? (2021年6月4日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - Lunaさん» Luna様、最後までご愛読ありがとうございました!最後は少し駆け足になってしまいましたが、胸きゅんお届けできて嬉しいです(^^)かっこいい実弥さんは永久不滅です! (2021年5月29日 1時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして。胸きゅんの素敵なお話ありがとうございました。実弥さんかっこよすぎましたっ!! (2021年5月28日 16時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年10月22日 21時

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