40-汚職事件 ページ40
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『いやー、もう年越しですか。早いものですね、一年は』
『違いない。年末は行事ごとが盛りだくさんでますます肥えますよ』
４５型のテレビから毎日見られるニュースキャスターが、今日も変わらずグレーとキャメルのスーツを着て屈託ない笑顔を私に向けている。
明るい朝の番組を見ながらかじった食パンは焦げた匂いがした。
ママと大喧嘩した翌日の朝７時。気分は最悪、ママは奥の部屋から顔一つ見せない。
『＿＿続いて、ニュース速報です。』
『昨日、財務省、横井事務次官が秘書と密会して贈賄していたことが明らかになりました。繰り返します……』
「……え、」
急に場面が切り替わった番組。
嫌という程聞き慣れたキャスターの声は、確かにパパの名前を呼んだ。
思わず大きく椅子を後ろにガタン、と倒す。
その拍子に奥の部屋の扉が面倒そうに開かれ、ママと一瞬目が合った。
ママも、私の視線を辿ってテレビを見やる。
「これって……」
「……気にしなくていいから、Aはもう学校行きなさい」
「嫌だ、行きたくない……！ パパは？」
「大丈夫よ。今学校休むと成績に響くから、行きなさい」
こんな時でも、ママは成績の事ばかりだ。
昨日の私の言葉が、少しは響いたと思ってたのに。
やるせない気持ちのまま残りの焦げた食パンを牛乳で流し込み家を出た。
電車に揺られながら辺りを見渡す。携帯や新聞を見ている人たちは皆今朝のニュースを見たんだろうか。
私が汚職事件を起こした事務次官の娘だと知ったら、ここにいる人たちは一体どんな反応をするんだろうか。
「おはよう、A！」
「っ、お、はよう」
「そろそろ来る頃だと思ってたんだよね！ 教室行こ！」
校門の影からぬっと現れたのはいつもの５人。なぜ皆揃って校門前で私を待っていたんだろうか。
それは何となく、ここに来るまでの道での、好奇な視線で察しがついていたけれど。
友達が私を守るように囲んで、階段を上る。
何ともないふりして話しかけてくれる友達は偉大だ。
「横井の親父、秘書に賄賂送ってたらしいよ」
「横井ってあれ？」
「要するに浮気って事でしょ？」
「……A、行こ」２年の教室の廊下は、私を見やる攻撃的な目で溢れかえっていた。
やめてよ、嘘言わないで。……紛れもなく、事実だけど。
今日の学校は、どうしようもなく息苦しかった。
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k - おそらまめさあああああああん、、(4回目)いや、あの最高でした。胸きゅんってこういうことを言うのですね、、やはり実弥のかっこよさは最高ということですね。(？) (6月15日 23時) (
レス) @page46 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 赤の他人で恐縮ですが言わせてもらうと文才すぎやろ〜才能爆発やん！の二言です。ありがとうございます。はい。 (2022年10月6日 22時) (レス) @page46 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 39ページ 舌を見ると の 舌 は 下 ではないでしょうか？ (2021年6月4日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - Lunaさん» Luna様、最後までご愛読ありがとうございました！最後は少し駆け足になってしまいましたが、胸きゅんお届けできて嬉しいです(^^)かっこいい実弥さんは永久不滅です！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして。胸きゅんの素敵なお話ありがとうございました。実弥さんかっこよすぎましたっ！！ (2021年5月28日 16時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年10月22日 21時
