04‐今日くらいは ページ4
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「ねー、A。今日皆で夜ご飯行くんだけど来ない？」
「え、夜？ ……あー」
ある日の昼休み、昼食の弁当を囲んで食べながら、友達にふと話を持ち掛けられた。
今日は塾も休みだ。
だけど私が渋るのは、頭の中でママの存在がよぎったから。
門限は23時で限られている。
それに、遊びに行くのはきっと駄目だと言われる。
「やっぱ急に誘ったし難しいよね」
「Aん家、両親厳しいでしょ」
「そういやお父さんってお偉いさんだったっけ」
友達の言葉にぎくりと顔を引きつらせながらも悟られないように無理やり笑った。
パパは政府の人。官職とかはよくわからないけど、時々テレビなんかにも出るから、有名だ。
……だからこそ、私は両親が嫌いだ。
パパは業界の女の人と家で密会をしているし、ママはそれへの不満を私に当てつけるかのように、私を縛り付ける。
「＿＿……ううん、大丈夫！
今日、塾もないし、行けるよ！」
「ほんと！ やった！」
だけど私の自由時間までママに奪われたらたまったもんじゃない。
勉強ばっかりで疲れてたんだ。
1日くらい、ママだって許してくれる筈……。
「ただいまぁ……」
自宅に着いたのは午後４時。
いつものように広い玄関の隅っこでローファーを脱ぎながら割と大きな声で帰りを告げたのだけれど、今日は何故かママの迎えが来なかった。
手を洗いにリビングに入る。
ママの姿は、キッチンにもソファにもなかった。
そういえば、さっきママの靴が無かったような。
「……もしかして、出かけてる？」
チャンスだ！
ママの居ない間に支度して出れば、言い逃げできる。
嬉々として足取り軽く部屋に戻る。
少し背伸びして最近買ったセットアップに小さめのカバンを持つ。
そろりとリビングに戻ったけれど、相変わらずママは帰ってきておらず、閑散と白が広がっていた。
ふと目に飛び込んだ、ママのドレッサー。
……今日くらい、バレないよね。
＿そろり、とママのポーチを開けて、中に入っている化粧品を恐る恐る使う。
いつもリップしかしない簡素な顔は、たちまち華やかな出で立ちに。
「……よし！」
鏡の前の私は、別人とまでは行かずとも、格段と明るい顔になっていた。
メイクは私を、女の子を強くする。
本当は興味のない政治なんて勉強したくない。
いい大学に行くための勉強なんて、つまらない。
私の夢は、メイクアップアーティストだ。
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k - おそらまめさあああああああん、、(4回目)いや、あの最高でした。胸きゅんってこういうことを言うのですね、、やはり実弥のかっこよさは最高ということですね。(？) (6月15日 23時) (
レス) @page46 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 赤の他人で恐縮ですが言わせてもらうと文才すぎやろ〜才能爆発やん！の二言です。ありがとうございます。はい。 (2022年10月6日 22時) (レス) @page46 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 39ページ 舌を見ると の 舌 は 下 ではないでしょうか？ (2021年6月4日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - Lunaさん» Luna様、最後までご愛読ありがとうございました！最後は少し駆け足になってしまいましたが、胸きゅんお届けできて嬉しいです(^^)かっこいい実弥さんは永久不滅です！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして。胸きゅんの素敵なお話ありがとうございました。実弥さんかっこよすぎましたっ！！ (2021年5月28日 16時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年10月22日 21時
