好きだった人【黒尾鉄朗】 (ページ10)

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澤村「A、着くぞー、起きろー」

大地に肩をこれほどかとも揺さぶられ、重い瞼を開ける。
そこには見慣れた学校の最寄り駅に近づく景色があった。

『大地ありがとう〜、、眠い。』

澤村「でしょうね、スガから聞いたよ、夜電に付き合わされたんだって？」

『スガ自白したんだ。』

あんなに圧かけてたくせに自分で言ったのねと思いながらスガを見ると、彼の瞼は閉じたまま。

寝てるのかと思い、『このまま起こさないで電車降りよ』と大地に声をかけた時、「起きてますけどー？｣と彼の目がぱっと開く。

『怖すぎるでしょ！寝たフリなんて菅原くんってば趣味わるーい』

菅原「寝たフリじゃないですー、目だけ閉じてたんですー」

ほんとかよと私が呟き、軽い言い合いをする私たち。

大地はそれを見て「寝てないくせにお前らほんと元気な」と苦笑いする。

いよいよ最寄りにつき、歩いて学校へ。

バスなんだから迎えに来てくれても良くないー？と愚痴話をしたり、お菓子何持ってきた？とか自由行動の時に食べたいものとか、修学旅行の話をしながら学校は向かうといつもより着くのが早く感じた。

学校のプロムナードには先に着いていた旭と潔子の姿があった。

いつもとほんの少し違う朝にいよいよ修学旅行なんだと実感してワクワクする。

とりあえずこのまま騒ぐと酔う可能性大なため、バスでは潔子の隣で爆睡をかまそうと決めてバスに乗車した。