屋上でのひととき (ページ4)

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『で、なんか用事あった？』

「あ〜、、」

今日の授業のこととか、

何気ない世間話なんてしていたけれど、

そういえば、呼び出されてたんだった、と

途中で思い出した。

でも、少し言いづらそうな顔をしている。

『…なに？』

「今日、体育の終わりに、すれ違ったじゃん、」

『うん、そうだね』

学年も違うからなかなか休み時間以外に

会う機会がない私達は

週一回、照くんの体育おわり、わたしの体育前に

体育館前の渡り廊下ですれ違うのが密かな楽しみ。

お互いを見つけて目が合うと、手を振り合う。

よく、彼の隣にいる深澤先輩にも手を振られて

照くんがやめろ、なんて言ってるやり取りも見る。

でも、それがどうしたのか、

私には理解出来ないままで。

「俺とすれ違った後、

俺の知らない男子と仲良く話してた」

『えっ、男子と…？

私、男子の友達なんて、、あっ』

「なに？あれ、、なんかすごい嬉しそうだったし、」

たまたまクラスの、

同じ日直の男子と軽く話したこと、

俺が仕事やっとくわ！なんて言われて喜んでたとこ、

見られてたんだ……

不貞腐れる彼に、ごめんね、と1度謝った。