35話 ページ36
斬っても斬ってもキリがない
大包平さんは大声で叫んだ
さすがの俺でも少ししんどいかも
極になった信濃くんが顔を歪ます
とても嫌な気配ですね
表情を変えない数珠丸さんが顔を顰める
ありゃ、これは危機的状況かな？
余裕そうで余裕じゃない髭切さん
刀装もなくなりつつあるな
刀を握り直す膝丸さん
子らよ、あまり前へ出るな。父に任せろ
自分より仲間を心配する小烏丸さん
皆が皆、危機的状況だった
私はただただ皆に守られるだけ
審神者ってこういうとき、本当に役に立たない
勝って、そしてどうか……折れないで。
そう願うだけしかできない
「大将！敵はあとどのくらい？！」
「私たちと然程変わりません、あと少しです！」
「俺のこと忘れてない？」
「！ 主！！」
前任に御札を貼られそうになったのを
大包平さんが抱きしめ庇ってくれた
「大包平さん！！！！」
「ぐぁ、っ！な、んだ……これは！」
「俺の言霊が効かないのなら札で消そうとしたけど
なんだ、案外簡単に消せるんだね」
バチバチと大包平さんの体が透け始める
私の刀まで消せるというの？
「主、大丈夫だ……俺の加護は主の為に＿＿＿＿」
「大包平さんっ！ダメ！消えな……！！」
「必ず護る、主」
「大包平さん！！！！！」
大包平さんが消えた途端、信濃くんたちまで透け始めた
なんで、札は貼られてないのに
「一人が消えたら消える言霊さ。連帯責任ってやつ？」
「そんな、嫌だ……信濃くん、数珠丸さん
髭切さん、膝丸さん、小烏丸さん！！
嫌だよ、嫌だぁ……私をひとりにしないで！！
あなたたちまで消えたら私は……私は！！」
泣きじゃくる私に優しく頭を撫でてくれる髭切さん
膝丸さんは手を握ってくれる
「涙を拭えない俺たちを許してね」
「どんなことがあろうと俺たちは主の味方だ」
「主よ、我の愛しい娘
大丈夫だ、我らの加護を甘くみるな」
「必ず、必ず戻ります。愛しい我が主」
「大将、大将落ち着いて。大丈夫だから
消えちゃうけど俺たちは絶対大将を……
Aを一人にしない！！」
信濃くんは額にキスをすると笑った
「大好き、A」
信濃くんたちを掴もうとした手は空を切った
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なーこ(プロフ) - 「涙を拭えない俺たちを許してね」のセリフで泣きました……！！髭切さんかっこいい！！！！ (2017年7月10日 22時) (
レス) id: 0ab6859c20 (このIDを非表示/違反報告)
神代(プロフ) - なんと言ったらいいのか…好きです物凄く。乱が自己紹介した時目の前がぼやけて思わず泣いてしまいました良かったねって。小烏丸さんもお母さんのくだり好きです。たまに家族の四振りが怖いけど可愛くて、早く仲直りして欲しいなぁって思ったりしてます。更新楽しみです (2017年5月1日 4時) (レス) id: f49ce96779 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - やばいですやばいです。皆さん可愛すぎですか。もうぼく倒れそうです。鼻血ぶしゃーです。続き楽しみです。頑張って下さい。 (2017年3月30日 13時) (レス) id: 28faf62378 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 最高に素敵な小説だと思います。久しぶりに続きが気になってしまいました！更新楽しみにしています。 (2017年2月5日 23時) (レス) id: a1aaf8a71f (このIDを非表示/違反報告)
風羽(プロフ) - はじめまして、初めから読みました。とても面白くて好きです！続きが気になります！更新がんばってくださいm(。≧Д≦。)m (2016年11月5日 23時) (レス) id: 088a42be71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さといも
| 作成日時：2016年6月11日 7時
