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34話 ページ35

「洸哉……お兄ちゃん」


昔、私を助けてくれた
近所で優しい幼馴染みのお兄ちゃん

私は彼が好きだった。初恋だった
数十年も片想いしてたんだ……


「なんで、なんでこんなことするの……
なんで本丸を襲うの、なんで私たちを襲うの!!」


彼に叫ぶと顔を歪ませながら言う


「はぁ?そんなの気に喰わないからに決まってるだろ
それに、確かに僕は洸哉だけど君のことなんて知らない」

「…………!!」


そうだ、私は現世ではいない存在だったんだ
でも現世ではの話でしょう?
私が彼を見間違えるはずがない

じゃあ、この人は……誰?


「主」

「! 小烏丸さん……」

「落ち着け、我が子よ。
彼奴はお主の知っておる者ではない」

「前任の怨霊が主の想い人に化けたってことか?」

「だから中身を感じられなかったのか。納得」


なんて性格の悪い前任の怨霊……

前任はくるりと信濃くんたちの方を向くと何かを唱え始めた

すると信濃くん以外の刀の体が透け始める


「!! こ、れは!」

「なに?!いやだ、怖い……!」


急いで駆け寄り触れようとすると通り抜ける
触ることすらできないの?


「君らは元はといえど僕の刀。
例えその女と契約が結ばれても顕現したのはこの僕
そのことは変わりないんだよ。」


私が呼んだ彼ら以外の刀が消えかけてる
なんで、折れてなのに……!!


「いやだ、消えたくない……!!怖いよ……!!
助けて、あるじさん!!」

「乱!」


泣きそうになる乱を抱きしめたいけど
抱きしめられない、何もできない無力な自分に腹が立つ


「大将!落ち着け刀は折れてないんだ
必ず大将のところに戻ってこれる!
俺らがいなくても前任に勝てるってことを証明してくれ」

「厚っ!」


「あなや……これだと主を守れない……」

「すまねぇ、主……!」


「みなさ、!」


シュンッと音と共に消えた刀剣たち
残るは私の刀のみ


「大将……」

「やるしかありません……」


敵は数少ない、他の皆が頑張ってくれたから



「必ず救いましょう。私たちのために」






そして、前任を殺す。

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なーこ(プロフ) - 「涙を拭えない俺たちを許してね」のセリフで泣きました……!!髭切さんかっこいい!!!! (2017年7月10日 22時) (レス) id: 0ab6859c20 (このIDを非表示/違反報告)
神代(プロフ) - なんと言ったらいいのか…好きです物凄く。乱が自己紹介した時目の前がぼやけて思わず泣いてしまいました良かったねって。小烏丸さんもお母さんのくだり好きです。たまに家族の四振りが怖いけど可愛くて、早く仲直りして欲しいなぁって思ったりしてます。更新楽しみです (2017年5月1日 4時) (レス) id: f49ce96779 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - やばいですやばいです。皆さん可愛すぎですか。もうぼく倒れそうです。鼻血ぶしゃーです。続き楽しみです。頑張って下さい。 (2017年3月30日 13時) (レス) id: 28faf62378 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 最高に素敵な小説だと思います。久しぶりに続きが気になってしまいました!更新楽しみにしています。 (2017年2月5日 23時) (レス) id: a1aaf8a71f (このIDを非表示/違反報告)
風羽(プロフ) - はじめまして、初めから読みました。とても面白くて好きです!続きが気になります!更新がんばってくださいm(。≧Д≦。)m (2016年11月5日 23時) (レス) id: 088a42be71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さといも | 作成日時:2016年6月11日 7時

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