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第三話 ページ3

低い声、いつも私に話しかけるような低い声
横を見ると怖い顔をしたお兄ちゃん


「お兄ちゃん、!」

「合歓、大丈夫か?」


なんで、なんでそんな優しい声なの
どうして私には優しくしてくれないの?


「お前、合歓に何言った」

「っ、!」


ビクリと肩が上がる、怖い、顔が見れない


「出てけ。合歓を傷つけたお前なんて妹なんかじゃねえ」

「!」

「お兄ちゃん!!!!!!」


お姉ちゃんが大声をあげる
酷いこと言ったのに私の味方をしてくれるの?
優しいね、貴方のそういうところが大好きで大嫌い


妹じゃないんだって、ハハッ笑える
もういい、もういいんだ。




今日、私はこの家を出て行く



__________________


どれくらい走ったのだろう。

財布も置いてきてしまってホテルすら泊まれない

スマホだけが頼りだ


『合歓を傷つけたお前なんて妹なんかじゃねえ』

『失せろ、二度と現れんな』


兄の言葉が頭に響く

そう言えば、あの人に名前で呼ばれたの いつだっけ…
いつも「お前」や「おい」だったから

合歓お姉ちゃんは「合歓」なのにね。不思議…。
ううん、不思議じゃない。だって二人は兄妹だから

やっぱり私は妹なんかじゃなかったんだ

いつも二人を見ると似ている。似ているところしかない


白い髪に赤い目。同じアホ毛があって仲もいい
なんだ…二人の方がよっぽど



「そこの君」

「え?」


声をかけられ振り返ると知らない男の人
なに……?なんなの?


「碧棺左馬刻の妹だよな?」

「っ…!」


バッ!と走ってしまった
なんで走ったのだろう、違うって否定すれば良かった
私はあの人の妹じゃないって


「待てよ!!!!」

「あぅっ、!」


髪を掴まれそのまま後ろに倒れ車に放り込まれた
ご丁寧に目隠しと手を縛られ

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わか(プロフ) - pixivでこの作品を見ました。とてもお気に入りです! (2021年6月6日 22時) (レス) id: aec0402c52 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 書籍化おめでとうございます!!自分はこと作品が大好きで何度も読んで、何度も泣いてしまいました(>_<)。ずっと応援させていただきます!素敵な作品をありがとうございます!! (2021年6月6日 3時) (レス) id: a34950640d (このIDを非表示/違反報告)
侑月(プロフ) - 何度も読み返し何度も泣いてしまう…続きがすごく気になります (2021年5月20日 0時) (レス) id: ba69c8b6c6 (このIDを非表示/違反報告)
胡瓜しらす(プロフ) - 泣いちまったよ畜生…………うわあああああああああああ!!!!!!(´;ω;`) (2021年3月27日 13時) (レス) id: 25950665d2 (このIDを非表示/違反報告)
星妻桜(プロフ) - ああああああ!( ;∀;)オエ(しんどすぎて吐いた音) (2021年3月3日 16時) (レス) id: 8fe565e777 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2021年2月22日 4時

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