可哀想な妹と哀れな兄

第六話 ページ6

俺には二人の妹がいる

一人は俺に似て優しい妹、もう一人は父親に似てる妹
末妹は父親譲りの黒髪で目の色だけは俺たち似だ。

俺はアイツをみるとクソ親父のことを思い出し嫌気が差していた。
だが、それが間違いだったんだ

何かとあれば必ず合歓を優先していた
お兄ちゃん、お兄ちゃんと慕う合歓が可愛くて仕方がなかった。

そういえば、アイツもお兄ちゃんと慕ってくれてたな

家事全般をやってたアイツ、家に帰れば必ず「おかえりなさい」と言ってくれるアイツに俺は一度でも返したことがあったか？

そんなある日アイツと合歓を喧嘩をしていた
いつも仲のいい姉妹だったのになにが起こった


「おい」

「お兄ちゃん、！」

「合歓、大丈夫か？」


傷ついた顔をした合歓を優しく撫でる
こいつは合歓になにを言った？


「お前、合歓に何言った」

「っ、！」


下を向き、一向にこっちを見ないこいつに腹が立って


「出てけ。合歓を傷つけたお前なんて妹なんかじゃねえ」

「！」

「お兄ちゃん！！！！！！」


アイツはバッと顔を上げると俺と目が合う
目を見開いて怯えるようなその目が母親と重なってアイツは家を出た


「お兄ちゃん？！何てこと言ったの？！」

「お前だってアイツになに言われた？」

「私のことはいいの！別に気にしてない！！！あの子に、あの子に言ってはいけないことをお兄ちゃんは言ったんだよ？！」


あの子を探してくると出て行こうとする合歓にどうせすぐ帰ってくると止めた

そういや、アイツが出て行くの初めてじゃねぇか？

何回もスマホがなったが、どうせ銃兎か仕事だろと俺は無視した


それがアイツからの着信と知らず

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