第6夜 ページ6
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あらかた船内を案内してもらい、最後に案内された私の部屋に当てられた室内に座り込む。
話を聞いたところ以外と施設は充実してるらしく、浴槽、食料庫、キッチン、書庫、倉庫など、さまざまな部屋があるようだった。
｢………てか、ひとつ聞きたいことがあるんだけど｣
この船に来てからずっと感じていたもの。
質問というよりは確認に近い。
｢ここ、私以外の人間いないでしょ？｣
｢何やねん今更。俺はゾンビやしセンラはキョンシー。坂田は……賢者とか言うてたけどよう分からん、うらたさんは……、あー、こればっかりは本人に聞いた方がええな｣
やっぱり。
センラさんに初めて会った時はやたらと凝ったコスプレ集団だと思っていたがうらたぬきさんのあの魔法のようなもの、そして目の前にいる志麻の臭い、体の異様さ。
改めて自分が今置かれてる環境にぐったりと項垂れる。
いや、命は保証するとうらたぬきさんは言ってくれたけどそれでも不安なものは不安だ。
……うらたぬきさん、といえば。
｢……あれ、そういえば、食料、ってどういうこと？｣
｢食料は食料や。お前らも肉とか魚とか食うやろ｣
｢え、その感覚で人を食べるの？｣
｢？うん。何するにもエネルギーが必要やろ？俺らにとってそのエネルギーが人間だっただけや｣
あまりにもあっさりとした返答に絶句する。
匂いからなにかの生肉かとは予想していたが、まさか人間とは。
ということは、私も食べられる可能性があるわけで。
これはますます頑張らなきゃ、と気合を入れる。
｢でも、抵抗とかないの？｣
｢ないな。可哀想だとも思わんわ｣
｢………1年前までは志麻も人間だったのに、同じ人間を食べる抵抗とかはないの？｣
記憶が無い事も薄々理解してる。
少しの可能性にかけて聞いてみるが、帰ってくるのは不思議そうな顔をした志麻の表情のみ。
｢は？俺が人間とか、そんなわけないやろ｣
｢じゃあ1年前、自分が何してたか言える？｣
｢1年前、そんなんこの船にいたに決ま、って…………？｣
ぴたり、と志麻は動きを止める。
馬鹿にしたような笑みからじわじわとその表情は苦しそうになり、息を荒くして頭を抑え始めた。
｢ちょ、大丈夫？｣
｢っ坂田や、坂田、呼んでこい｣
いや坂田って誰。
そう思いながら、私は部屋を飛び出して坂田さんとやらを探しに行った。
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クロナ - 涙目になりながら読ませて頂きました。とても面白い話でした！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 95383b2889 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです！夢主ちゃんと四人が再会するお話とかその後話が欲しいです！ (2018年11月27日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - ゆづきさん» コメントありがとうございます、まだまだ拙い文ですがそう言っていただけて感無量です…！閲覧ありがとうございました！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - つぼみさん» コメントありがとうございます、少しでも作品の雰囲気を楽しんでいただけでとても嬉しいです！期待に応えられるよう頑張ります！！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - 感動した。ただその一言です！愛が感じられるとても素敵な作品でした！ (2018年10月30日 18時) (レス) id: 5ea47c424e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：史緒 | 作成日時：2018年10月3日 23時
