愛情過多【浦島坂田船】

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｢まあ人の恋愛の形なんて人それぞれ、正解なんてないんだろうけどさ、こじれちゃうと自分の知らないところでなんか問題が起きてたり〜とか、あるかもだよ？｣



｢………うん、そうだよね｣


｢Aがそんなややこしいことになってるとは思ってなかったけどね、またなんかあったらいつでも連絡してよ｣


｢ありがとう………って、え、何でバレてるの！？｣



友人からのありがたい言葉を身に染み込ませ、感謝していたが最後の言葉で一気に我に返る。

自分でも騙すにしては雑すぎると思っていたけど、こんなあっさりとばれてしまうものなのか。
私の単調さに友人は笑い声を上げる。
この子には本当にいつまで経っても叶う気がしない。


｢応援してるから、じゃあね｣



しかし根は優しい子だ。
だからこそ、こんな優しい言葉を残してくれる。
通話が切れ、スマホの画面が暗くなる。


壁にもたれ掛かりながらあの4人のことを考えては思考が乱されていく気がしてたまらない。
何をどうしたらいいんだろう、誰も傷つけないなんて無理なのかな。



誰か一人を選ぶ、簡単そうに聞こえて、それはとても難しいものだ。

私はその人のために、他の3人を切り捨てられるのかな。
そう思える人じゃないとやっていけないのかな。



頭の中に次々と課題が浮かんでいく。
一つ、また一つ、彼らで思考が塗りつぶされていく。



しかし、それでも、私は1つの答えを見つけた。





_____ああ、これだ。

こうしてしまえば、一番いいのかもしれない。

こうすれば一番平和で、きっと、私の思いを表すには一番だ。




答えを見つけた安心感から、急に眠気が襲ってくる。



明日、言おう。

私が出した答えを、みんなに。



そう決意した私は、そっと目を閉じた。





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