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彼のあの時の言葉が鮮明に頭の中に浮かぶ。
何気ない、バイト終わりの時。
｢俺、Aちゃんのことが好き｣
｢Aちゃんがいるから頑張ろうって思えるし、一緒に話してて楽しいし、もっと一緒にいたい｣
｢突然ごめんね、返事はいつでもいいから｣
あの時は本当に驚いたっけ。
少し前のことを思い出していると、浦田くんは私の隣に座った。
この間至近距離で見たばかりなのに、じっと見詰めてくる浦田くんの顔はやっぱり整ってるな、なんて考えてしまう。
｢返事はいつでもいい、って言ったけど、……ねぇ、俺のこと考えてくれてる？｣
｢俺のこと見て、俺のことでもっと悩んでよ、……じゃないと、今すぐ答え聞くけど｣
それは困る。
何しろ考えてはいるもののどうしても色々な人に絡まれてまとまりかけた考えは何もかも荒らされてしまうんだから。
浦田くんは私の手を優しく握る。
先程の不審者に掴まれた時とは違う、握られた手から体全体に心地良い気分が、安心感が広がっていく。
｢………見てるよ、浦田くんのこと｣
彼を安心させるように、もしくは自分に言い聞かせるようにゆっくりと言葉を発する。
私の返答が意外だったのか浦田くんは目を丸くしたあと嬉しそうに表情を緩めた。
一体何が良かったんだろう、きっと考えても私には分からないんだろうけど。
｢そ、っか、………見てくれてるんだ、俺のこと｣
｢？うん、答えはまだ出てないけど｣
｢………ううん、いいよ、待っててあげる｣
いい答えは期待してるけど、なんて付け加えられた一言に私は何も返せない。
もう暗いし送ろうか？と言ってくれる浦田くんの気遣いはとても嬉しいのだが、先程ちらりと見えたセンラからのメッセージには遅いし迎えいくで〜なんて書かれてあったような。
入れ違いになると悪いし、断り続けるのもなんなので駅まで着いてきてもらうことにする。
浦田くんと特にとりとめのない会話をしながら歩く道のりは、先程よりいくらか明るく感じる。
しかし、会話に夢中になるあまり、センラからのラインとは別の、もう一つの通知に気付くことができなかった。
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瑠璃色(プロフ) - コメント失礼します！すごい甘くて溶けそうでした…楽しく読ませていただきました！ (2020年1月22日 4時) (
レス) id: c270fd437e (このIDを非表示/違反報告)
夏乃(プロフ) - コメント失礼致します！ とてもドキドキしながら作品を読まさせて頂きました！メンバーそれぞれのお話もワクワクドキドキでした！お話の途中からまさか4人は裏で繋がっていたりして…！と予想したりしていて楽しかったです！ (2018年10月5日 3時) (レス) id: 18d0eaa0c8 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - maikanoさん» コメントありがとうございます！各ルートはいつか形にしたいなとは思ってるので気長にお待ちください！maikanoさんが少しでもドキドキできるようなお話を届けられて良かったです、見ていただきありがとうございました！ (2018年10月4日 0時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - 瀬菜(せな)さん» わーありがとうございます！何とか完結できて良かったです…！！新作公開しましたのでお時間ある時にでもよかったら除いてやってくださいー！ (2018年10月4日 0時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
maikano - とても面白かったです！欲を言うと全ルートみたいですね…（全員から愛されるルートとか、うらたんルートとか…）読んでてすごくドキドキしてものすごくよかったです！ (2018年10月3日 15時) (レス) id: f3f6e9dc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：史緒 | 作成日時：2018年9月10日 22時
