愛情過多【浦島坂田船】

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キス、きす、？



｢いやいやいや何で！？｣

｢だって言葉じゃ伝わらないんでしょ？だったら行動で伝えるしかないじゃん。キスしかしないから、………ね？｣



いや分からない、何でキスで伝えてくるの、もっといい方法あると思う。
そう言葉に出せたら良かったが、浦田くんの有無を言わさない雰囲気に圧倒され反論できない。

イエスともノーとも言わない私に痺れを切らしたのか、浦田くんは私の頬に手を添えて強制的に視線を合わせられる。



抵抗する暇もないまま、私達の唇は重なった。




……その1回で、済めば良かった。

私の予想とは裏腹に浦田くんは軽いキスを何度も何度も角度を変えながら繰り返す。
回数を重ねていく内に頬に添えられた手は後頭部に周り、不意に唇に浦田くんの舌が触れた。


｢…っすき、好きだよ、｣


｢うらたく、なが、｣

｢こんなんで終わるわけないじゃん、ほら、口開けて？｣


優しく誘導するかのような口調とは裏腹に酸素を求めて自然と空いた唇の隙間から舌が入り込む。
その瞬間、浦田くんの舌は私の口内を荒らしに荒らした。
舌に吸い付いて、歯茎をなぞって、舌同士を絡め合わせて。
まるで浦田くんの欲望だとか愛情だとかをストレートにぶつけられているようだ。
静かな部屋に、二人分の吐息と僅かな唾液の絡まる音。

その音が余計に私達のしていることを自覚させられているようで、耳を塞ぎたくなる。


そういった刺激に慣れていない私は抵抗なんてできるはずもなく、浦田くんにされるがままだ。
息が苦しくなっても止まることは無く、さすがにまずい、と思い始めた頃にようやく口が離れる。



ゆっくりと浦田くんの唇が離れると同時に、もうどちらのか分からない唾液が2人を繋げ、ぷつんと切れる。
私はすっかり力が入らずその場に座り込み、浦田くんを見上げた。




｢………かわい、息荒くして、目とろんてしてる｣



そう言う浦田くんも息が上がっており、目が蕩けている。
その姿はとても扇情的で、目に毒だ。



｢分かってくれた？俺がどんだけAちゃんのこと好きで、欲しがってるか｣





先程の口付けで何もかも溶かされて、思考能力すら奪われたのか、私はただ一つ、首を縦に振ることしかできなかった。

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