ただ皆で幸せになりたい蛇の物語(賢者の石編) (ページ10)

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6話目(妹蛇の追憶) ページ10

マ)それにしても……良く似てるわね
一卵性？
ラ)えぇ、異性の一卵性双生児はちょっと珍しいですよね。
鏡見てる気分になりますよ。

マダム・マルキンはボクに声を掛けつつもテキパキと作業を進めていく。
ボクとドラコが良く似ていると言う彼女。
当たり前だろうボク達は一卵性双生児なのだから。
鏡写しの様に瓜二つだ。そして、それはボクの自慢のひとつでもある。
流石は店主と言ったところか、投げかけられた質問に答えていればドラコよりも先に採寸が終わってしまった。
ドラコの採寸が終わるまでは何も出来ない為、ドラコが立っている踏み台へと腰掛けドラコの採寸が終わるのを待つ。
ドラコは魔女から投げ掛けられる質問を全て無視していたのは隣に立っている時に確認済だ。
なので、こちらに声をかけようとしたら魔女の言葉を遮るようにドラコへと声をかける。

ラ)採寸終わったらさぁ…… フローリアン・フォーテスキュー・アイスクリーム・パーラー行きたい〜
パパにお願いしたら連れていってくれるかな
ド)またパパって言ってるぞ。お父様に変えたのでは無かったのか？
まぁ、採寸が終わったら頼みに行こう。終わる頃には母上も父上と合流してるだろうからな

ドラコの足に寄り掛かりながら顔を見上げる。
ドラコはこちらを見ようとはせず気だるげに返答を返してきた。
入学祝いで何かペットを買ってもらおうとか、アイスは何を頼もうかとか、他愛のない雑談を続けていれば店の扉が開き黒髪の少年が入って来るのが見えた。

マ)坊ちゃん。ホグワーツなの？
全部ここで揃いますよ……もう一人お若い方が丈を合わせているところよ

なんて声も聞こえてくる。
先程まで自分が立っていた踏み台へと立ち頭からローブを着せかけられ丈を合わせてピン留めをされる少年をドラコの足に寄り掛かりながら見詰める。

ド)やぁ、君もホグワーツかい？
ハ)うん
ド)僕の父は隣で教科書を買っているし、母はどこかその先で杖を見てる

気だるそうな気取った話し方をするドラコ。
ふと、こちらを見る少年が驚いた様に目を見開いた。
ボクとドラコが鏡写しの様に瓜二つの顔をしている事に気付いたのだろう。
しかし、まだ話したそうなドラコの為にもあえて少年には触れずにポスポスと後頭部でドラコの足を軽く叩いてやる。