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「ああ。左腕一本で阿良々木先輩をベッドに押し倒せるくらい、力は有り余っとるぞ」
「押し倒す場所がベッドである必要をいまいち感じないんだが」
「じゃあ、阿良々木先輩を左腕一本でお姫様だっこできるくらい、や」
「片手でやったらお姫様だっこじゃなくて、むしろ町娘を攫う山賊っぽいぞ……いや、それならまあいいや」
「へへへ」
すると、なんだかいやらしい感じに月崎は笑う。
なんだか嬉しそうだ。
「阿良々木先輩はほんまに優しいなぁ……こんな俺のことをほんまに心配してくれとる。
ああもう、阿良々木先輩には心身のみなを委ねても安心していられるなぁ……」
「頬を赤らめて感慨深そうに言うな。お前はサトリの妖怪かよ。焚き火を起こすぞこの野郎。
人の心をぽんぽんぽんぽん、気軽に読みやがって」
「これでもバスケットボール部の元エースや。目を見れば、相手の考えとることくらい、大体わかる。
まして尊敬しとる阿良々木先輩のお考えやで？ 忠実なる徒たる俺にしてみれば、手玉に取るようにわかる」
「手玉に取ってどうする、実は悪漢なのかよお前は。ふうん……目を見ればねえ。本当なの。
それこそテレパシーみたいだな……。じゃあ月崎、今、私の考えてることを当ててみて」
「こんなところやろう。『この男、頼んだらトランクス脱いでくれねえかいな』」
「お前は私のことをどんな目で見てんだよ！」
「脱ごか？」
「う、く……いらねえよ！」
不覚にも数瞬迷ってしまった。
月崎は「ほうか」と軽く頷いて、変わらず腕に抱きついているだけだった。
……私の数瞬の迷いを突っ込んでこずにあっさりスルーするあたりが、女の下心に寛容な包容力溢れる父性をアピールしているようで、素直にムカつく……。
そもそもお前が振ってきた話じゃねえか。
なんで亭主関白気取りだよ。
「行くよ……ああもう、山に登る前から疲れてきた」
「うむ」
「一応、足の方、気をつけときなよ。虫刺されの方はともかくとして、この山、やたら蛇が出るらしいから」
「蛇か」
くすっと、月崎が笑った。
さっきのへびつかい座の話を思い出したのかもしれない。
構わず、私は話を続ける。
「まあ、無毒の奴ばっかりらしいけどね。けど、蛇の牙は長いからね、こんなところで咬み傷もらってもつまんないでしょ」
「……阿良々木先輩は首筋やったな」
「ああ。蛇じゃなくて鬼だけど」
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灰猫(プロフ) - realさん» 毎度コメントくださりありがとうございます！🙇♀️正直作者自身も過去に作った設定などを見返してはそこにそのキャラ置くんだ！？となっているので驚きながら書いていますw少しずつ更新していきますのでお待ち頂けると幸いです！ (2022年5月21日 11時) (
レス) id: e872c5e500 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - 元まーかー、りょくちゃのやつです()毎度コメント失礼します＼(_ _)今回の配役は驚きましたが最高です😊更新楽しみにしてます！ (2022年5月19日 19時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2022年5月5日 5時
