推しの隣じゃなくて (ページ1)

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いわふら回ページ1

仕事が終わり、さり気なく今日も橋本と定時で帰る。

いや、仕事はちゃんと終わらせてるから良いんだよ、ただ仕事を押し付けられる前に帰るだけで。

『ねえ松村今日飲んでく？』

「金曜日飲まない日あった？」

『ない！けどごめん、今日こぉちゃん来るんだ♡』

「は？んだそれ」

いつも金曜は橋本と絶対飲んで帰る日。

欠かすことなんてなかったのに、本人は彼氏であるこぉちゃん……康二くんが家に泊まりに来るんだとか。

自分から話持ちかけて断る人いる？

『ごめん！埋め合わせはいつでもするって！』

「いや全然いいよ。こぉちゃんかっこわら！とイチャイチャしてください。」

『もちろん、ベッド壊しちゃおうかな♡』

「ほんとやめれ？」

いつも通りのテンションで下ネタぶち込みながら話す帰り道は楽しい。

でも今日はここで終わり、

駅でバイバイして、せっかくの金曜日なのに物足りなさを感じるのは橋本がいないからなんだろうな、

……埋めるために、彼氏のお家に凸りたいと思います

(別に埋めるとかじゃなくて会いたいだけだよって言わなきゃ拗ねそうだなあ、)

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チャイムを鳴らして待ってればドタドタと聞こえる足音。

ガチャッ、と勢いのある音と共に現れたのは、

『Aちゃん♡♡』

『波奈出んなよ！！波奈がいるとお前の方行くからAは！！』

「ふ、ふららぁ！！」

ふららの胸の中に包まれる。

いい匂いと柔らかさに頭がクラクラしてきた、

『離れろ！！』

辰哉にベリ、と剥がされふららはリビングに戻される。

「ふららが……」

『後で会えんだろ、てか今日どした？奈々子ちゃんと飲みかと思ったけど』

「こぉちゃんとベッド壊すってさ」

『中々激しいんだな……じゃなくて断られたのね』

「うん。級に来たけど良かった？」

『むしろ来ないかなって思ってた』

そう言って口にキスを落としてから抱きしめてくれる辰哉。

付き合ってから半年以上経つけど、これだけは欠かさないでくれる。

リビングに一緒に向かえば美味しそうなご飯と、

ふららと、岩本くん。

「え～っいわふら回？！」

『一言目それ？笑 Aちゃん直接会うの初めてだよね？どーも、SnowManの岩本照です。』

ふにゃ、と笑う生の岩本くん。

とんでもない日に来ちゃったかも？