ふぇいくかっぷる。《Ryohei.A》 (ページ18)

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なんだか肩が凝っちゃってしょうがない。

あれからもずっとなんか視線感じるし、さ。

やっぱり変なところで気遣ってしまうんだもん…

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あ「あっちゃ～…」

給湯室にて、社長から頼まれた珈琲を淹れる。

だけど色々と考えごとをしていたらついお湯を入れ過ぎて、盛大にその辺に溢れてしまい…

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阿「…ふは、大丈夫？」

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声のした方を見ると壁に寄りかかって阿部さんがこちらを見ていた。

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あ「阿部、さんっ！」

腕を組みながらそのままこちらへ歩み寄って来る。

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あのですね、全部。貴方のせいで…

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阿「だから、阿部さんじゃなくて亮平でいいってば！昨日も言ったのになぁ…」

あ「まだ2日目なので！それと、今は仕事中ですから」

阿「ほんっとにAは真面目だね…あ、俺にも珈琲淹れてくれない？」

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そんな早々に下の名前で呼べって言われて

はい。分かりました。ってならないよ…普通？

なんならまだこの関係性だって受け入れられていないっていうのに、阿部さんのペースが早すぎるんだって。

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あ「…どーぞ」

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阿「ありがとう」

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言いたいことはたくさんある。

今日の朝のことも。しーっ…とかああいうのやめて欲しい、とかさ…

だけど、自分が思っているよりも阿部さんに対して。

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この二人きりの密室っていう状況になんだかドキドキしてしまって…

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昨日の、会議室での出来事とか次々と頭に過り思い出し、身体が熱くなる。

そんな彼が私を見てんっ？って小首を傾げる。

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阿部さんって…

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阿「…にっが！」

あ「あ、ごめんなさいっ？え、と…」

阿「ふふ。嘘」

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阿部さんが男らしく一気に珈琲を飲み干す。

程よく動く喉仏につい目が行く。私、男の人のこういうところ見てしまうんだよな。なんて。

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ご馳走様、そう呟くと、カップを流しに置いて…

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阿「今日一緒に帰ろう。帰り送って行くから」

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あ「えっ、ちょっ！」

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阿「…じゃあね」

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いや、おかしい！そうツッコミたかったけどよく考えたら形だけでも私達カレカノなんだもん、ね？

そしたら送り迎えだって変な話ではないのか。

いや、でも…？

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あ「…本当にちょっと、苦いじゃないっ…」

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こんなの一気に飲めたもんじゃないよ…？

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