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紫Side
「やっぱ楽しいなふっかさん♪」
「そう?良かったな」
「うんっ」
久々に歌って踊る康二は
さっきから楽しくてもうルンルン。
そんな康二を見れるのが嬉しくて
俺たちも笑顔だった。
「あっ…」
「あぶな…っ」
でもその時、
慌ただしく動き回っていたスタッフさんが康二にぶつかり、
バランスを崩した康二がステージから落ちそうになり、
「康二っ……!!!」
それに気付いためめが康二の腕を引っ張ったけど、
そのまま二人一緒にステージから落下していった。
俺は…
間に合わなかった…
『キャー』
女性スタッフの悲鳴が聞こえてやっと竦んでた足が動いた。
「康二…!めめ…!」
ステージから降りるとメンバーが全員二人を囲んでいた。
「めめ!めめ…!」
聞こえてきたのは康二の声。
どうやらめめが康二を庇う形で落ちたらしく
康二は無事だったらしい。
「康二大丈夫。多分気失ってるだけ。見たところ大きな怪我も無さそうだから安心して。とりあえず病院行こう」
自分のせいでめめが怪我をしたと
取り乱す康二に阿部ちゃんが声を掛ける。
それに安心したのか康二はそっとめめから離れた。
「康二、」
「あっ…な、に……」
「ごめん、びっくりした?」
そんな康二を安心させようと肩を抱いたら
大袈裟なくらい驚いてこっちもびっくりした。
「ううん…。大、丈夫…」
「?」
「とりあえず皆も病院行こう」
スタッフさんの声でみんな一斉に車に乗り病院まで行く。
「康二は大丈夫?ってあれ、康二は?」
「あれ…?」
様子のおかしい康二に
何て声を掛けたらいいのか分からなくて
先に降りてしまったけど、
そういえば康二がいない。
「トイレ?」
「まぁそのうち来るっしょ」
佐久間の言う通り、
しばらくすると待合室まで来た康二。
「大丈夫?」
「うん」
まだ動揺してるのか
一切目を合わせない康二に
何故か分からないけど胸騒ぎがした。
「…」
遠くを見つめる康二が何を考えているのか、
今の俺には分からない…
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真夏野スピカ(プロフ) - なさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - ともぴーさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - かおりさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 真夏野スピカさん» そうなんですね!更新楽しみにしてます。 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 67c533f73c (このIDを非表示/違反報告)
ともぴー(プロフ) - そうでしたか!更新楽しみに待ってます。 (2020年12月13日 19時) (レス) id: e72f97e6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真夏野スピカ | 作成日時:2020年11月10日 22時