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黄Side


びっくりして泣きそうな康二は、
舘さんに抱き着きながら翔太の服を掴んで離さない。

それを見てか、一生懸命に目黒とふっかを睨む佐久間とラウール。

そして唇を噛んで下を向いたまま顔を上げない阿部がいた。


「ほら康二、こっちおいで。もう大丈夫だよ」

「ふっかさん…」

「ん。ごめん。」

「怖かった…」

「ごめん。もう大丈夫だよ…」

「苦しかったやろ…?大丈夫?」

「うん。大丈夫だよ」

「何でこんなことするんめめ…。最低やん…」

「…っ」


目黒に絞められた首に手を添え、
優しく撫でながら悲しそうに目黒に問い掛ける康二。

その言葉についに目黒は涙を浮かべた。


「……俺のせいだからだよ…っ」

「へ…?」

「もうやだ…っ…ごめんなさい……っ」


この小さな声で吐き出された言葉は、
目黒の心の叫びだったのかもしれない。

ごめんなさいごめんなさいと、
床に頭を打ち付けそうになりながら
謝り続ける目黒が可哀想に思えたけど誰も救えない…


「めめ…。そんなんせんでえぇ。泣かんでよ…。ほら、おいで…?」


でも、そんな目黒に手を差し出したのは康二だった。


「…行けないっ……そんな権利…ない…っ……」

「じゃあ俺から行くで…?」


うわぁっと泣きじゃくる目黒を、
康二が抱き締めた。


「こう…じっ…」

「何があったかは分からんけど、そんなめめ見たないよ…。」

「康二っ…康二…」

「大丈夫やから。大丈夫。何か間違えたんかもしれんけど、絶対大丈夫やから。ちゃんと間違いって気付けたんやろ?だったら絶対大丈夫やから」

「康二…っ」


泣きながら康二の名前をただ呼び続ける目黒と、
ただひたすらに大丈夫大丈夫とあやす康二を、
皆でそっと見守る…


今はまだ、間に入るのは酷だと思ったから…。






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真夏野スピカ(プロフ) - なさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - ともぴーさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - かおりさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 真夏野スピカさん» そうなんですね!更新楽しみにしてます。 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 67c533f73c (このIDを非表示/違反報告)
ともぴー(プロフ) - そうでしたか!更新楽しみに待ってます。 (2020年12月13日 19時) (レス) id: e72f97e6fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真夏野スピカ | 作成日時:2020年11月10日 22時

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