【呪術廻戦】くゆり舞う【男主】 (ページ11)

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諭吉でマカロンセットを買った。お釣りの樋口さんを受け取ってポケットに突っ込んで、小銭を募金箱に落とす。

甘いものは多分苦手だ。辛いものが好みだと思う。

でも何故か、気づいた時には甘いものを買っていることがある。それも一つや二つじゃない。

一体俺は誰に買っていたのだろうか。

……

悠仁くんが言っていたけれど、倒れていた時の俺は目立つ物を何も持っていなかったという。

財布もスマホも、何もかも。

スマホも財布も、数日前に高専から支給された物を
今は持ち歩いている。

「おかえり〜何買ったの？」
『マカロン。』
「え？Aって甘いもの好きだっけ？」
『別に……悠仁くんならなんでも食べるから。悟くんにもやるよ、お前の金だしね』

まだ悠仁くんたちは戻ってきていないらしい。マカロンが入った袋を差し出すと、嬉しそうに笑った五条が中身を取り出す。

色とりどりのマカロン。

その中からひとつを摘んだ五条がパクリと頬張った。
……好きなんだ、甘いもの。

「いやぁ、やっぱいいねぇ糖分は。恵もいる？」
「結構です。あんま得意じゃないんで」
「えーじゃあ僕全部もらっちゃおっ！！」
『は？おい全部は食うなってば』

遂にマカロンを抱えた五条を剥がそうと手を伸ばしかけた時、ぶわりと呪霊の気配。

見上げると一体の呪霊がビルを通り抜けていた。

逃れてきたであろう異形の目が、ぎょろりと俺の姿を見つけると鳴き声をあげてこちらに迫ってくる。

げっ。

「祓います」
「待って。」

次の瞬間、

呪霊は体を滅多刺しに貫かれ、朽ちた。

……なんだ。意外とやるな、あの子。