another lazy day. ( 終 )

ちなみに少し楽しんでます ○ ページ34

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プライベートのテキトーさを仕舞い込んで、ニッコニコ笑顔振り撒きながらお猪口に注がれた日本酒をすするAのペースを見守る。

時折遠くに座る俺に笑いかけてくるところが最高に可愛い。

でもそろそろ止めなきゃな、なんて考えてた俺の完全敗北。

「はいそろそろ終了でーす、待って、みんな飲ませすぎやから(笑)あかんてほんまに(笑)」
「Aちゃんまだ大丈夫っしょ？？」
「大丈夫ちゃいますて！ちょ、ほんまこいつ注いだら注いだ分だけ飲むんで、ほんまに(笑)」
「楽しく飲んでただけなのにー！ねぇ？Aちゃん」
「はいアウトー！うちの可愛い後輩に手出さんといてくださーい(笑)はいあかん没収、Aはお預かりしますんで」

先輩方に割って入る菅田くん。
もうあれはピーチ姫を助けにきたマリオの如くだろ。
なんてアホみたいなこと考えて平然を装う。

「嶋名、こっち来といて、はやく(笑)」

菅田くんがAの手を引いて、水まで手配する。
それを見るAの目は、お酒のせいなのか何なのか、ぼんやりと溶けそう。

周りが菅田くんを羨ましそうに見て、取られたよー、なんて冗談めいた声まで上がる。
当の本人はもう菅田くんしか視界に入ってないけど。

「菅田さんが寝てない！」
「目の前であんな飲まれたらおちおち寝てられへんし」
「わー、やっさしー」
「何度も言うてるけど前からな、優しいのは。ん、水飲んどき」
「心配性ですねぇ(笑)」
「ええから飲んどきって。今飲まへんかったら後々あー菅田さんの言ったとおりにすればよかったーって一生後悔すんで(笑)」
「それはやです(笑)」

慣れた手つきでAの頬を軽く触って、水を手渡す。

「あっつ。めっちゃ飲んだんちゃう？茹でたん？顔(笑)」
「顔だけ茹でるってどんな技ですか(笑)」
「アホやん(笑)アンパンマンと同じ原理やんか(笑)」
「酔っ払って力が出ないよ〜」
「(笑)それはアンパンマンちゃうねん、ただの酔っ払いやねん」

大口を開けて笑う菅田くんに、Aは同じ空気を纏う。
水を飲んで美味しそうに笑うAの隣には、俺がいる予定だったと思うと、ことごとくダサい。

菅田くんはずるいね。
後輩だって言えば、なんだってできんだから。

でも久しぶりに見たなーって。
そんな顔して笑うの。やっぱり菅田くんか。



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