*026 坂本side ページ29
岡田「だからな、ひっく…まあくんにいてほしかったんだぐすん 今日はただでさえ、授業参観に来てくれてぐすんよしくんや健くん、剛くんにもあっひっくひっく不安定になっぐすん…うぅ、それなのに会議まで重なっててぐすんもうひろしがどうなっちゃうのか怖くて僕にはぐすん僕にはひっくどうすればいいのか…ひっくひっくからなくてぐすんっ」
俺の胸のなかに頭を埋めながらそう言った。
驚いた、長野のそんな姿見たことなかったから…同時に幼いときから岡田が背負ってきたものの大きさを感じた。俺はもう一度岡田をきつく抱き締めた。
坂本「わかった。わかった。もう言わなくていい…辛かったなお前も…よく頑張った。」
ーガッシャーーンッー
リビングから大きな音が聞こえた
坂本「岡田、いいか、此処でまってろ、大丈夫だ、俺が何とかする」
そう言って立ち上がろうとしたが岡田が離れなかった
ビクビクと顔を真っ青にして酷く震えている
岡田「まあくんぐすん、、いっひっくないっうで…ひろし…ひっくひろしが…」
坂本「大丈夫だ、俺を信じろ」
頭を抱え込みぎゅっとやると岡田の手から力が抜けていった
布団を岡田の肩にかけてから
ドアノブに手をかけ岡田の部屋を後にした
部屋を出たら、そこには頭から血を流している長野の姿があった
フラフラしながら流しに手をつき吐く、床に叩きつけられる…
長野の息はゼーゼーとしている
長野の頬は川の石のように固く白く見えた
頭から流れている血は食器棚にぶつけたようだ
坂本「長野!!」
俺は急いで長野の方へ向かった
俺は長野と一瞬目があったがそこには既に俺の知っている長野の姿はなかった
長野は自分の頭に手をやり離すと無表情で見つめていた
目は虚ろで呼吸は浅い
俺が長野に手当てをしようと救急箱を手にしたとたん
長野「どうして…どぅっ」
長野は掠れた声でそういうと呼吸がだんだん早くなっていった
表情は無表情で声も棒読みで
俺は動かないように長野を強く抱き締めた。何度も暴れようとしたが何度も離れないようにきつく抱き締めた
俺は何度も低い声でボリュームを押さえながら
坂本「大丈夫だ。大丈夫。大丈夫…大丈夫。俺と一緒に呼吸しろ…浅く…浅く…そうだ、大丈夫だ、大丈夫。大丈夫だ、ここは俺のなかだ…」
ぐっと抱き締めながら長野の背中を一定のリズムで叩く
しばらくすると収まってきた
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作者名:みりん | 作成日時:2016年8月27日 9時