【言葉のいらない瞬間】2 (ページ24)

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*060 健side ページ24

井ノ原「えーっと今日は4月30日、今日で4月も終わりです。えーっとこのプリントは5月25日にある遠足のお知らせです。場所はトルララグリーン牧場です、参加、不参加に丸をつけて5月の15日までに提出するように！保護者にもちゃんと渡すんだぞ」

井ノ原くんはそういいながらこのプリントを配っていた

うわー、やっぱ金かかるよ�・俺はいいや、

そのプリントを四つ折りに畳んで捨てようとゴミ箱へ向かった、そこへｶﾞｼｯと俺の腕は捕まれた

岡田「健くん、何を捨てようとしたの、それ、今のプリントだよね」

岡田は優しい声でキョトンとした顔で聞いてきた

三宅「え、うん、そうだけど、どうせうちは行けないからさ、最初からあったってしかたないんだって」
岡田「違うよ、健くん、えーっと、ほら、ここ」

岡田は俺のプリントをもって広げて一通りそれをなにかを探すように目を通してから一番下の欄を指した

“不参加の場合はしっかりと不参加に丸をつけて提出してください”

三宅「あ、あぶね、岡田さんきゅー」

岡田は不満そうに席に戻っていった

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ーｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ、ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝー

岡田「やっと昼休みだ�・健くん中庭で食べよー」
三宅「えーどーせ、部活動の勧誘とかでうるさいだろ」
岡田「もう勧誘期間おわっててどこもやらへん、シフト表にもかいてあるよ」

ならいいや、とお弁当をもって中庭までいった
案の定誰もいなくてそこのベンチに座った

岡田「健くん、遠足いかないの？」
三宅「え？まあ、うち、お金ないからさ」

岡田は不満そうに下を向いてから顔をあげた

岡田「ひろしとね、俺が学校いきたくないっていったとき約束をしたんよ、というか、俺が無理矢理お願いというかね、どうしても行けってひろしが言うもんだから条件にひろしが生きてて楽しいって思ってくれたら、僕は学校に行くって言ったんだ」

“生きてて楽しい”か、随分と大きくでたな、なんか変なお願い�・
岡田の目は透き通るように綺麗で純粋な目をしていた

岡田「そしたらひろしさ、ずるいんだけどね、俺がきちんと自分の道を歩けば、それを見ていることが幸せっていったんだ」
三宅「へぇー本当、長野くんってお母さんみたいだね」
岡田「で、ひろしがだからちゃんと学校に行って自分の道つくってってゆうたん」

なるほど、岡田の使命感はこれか、早く大人になりたい、自分の道をっていうことなんのかな�・