名家の次期当主に溺愛されています (ページ18)

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。゜+゜。〇-Episode1：運命の出会い-〇。゜+゜。ページ18

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居間には優子と雅彦、真斗と玲奈がそれぞれ向かい合わせになるように座っていた

玲奈「突然のお願いだったのに、受け入れてくれてありがとうございます」

雅彦「あぁ…。使用人たちが対応出来たから良かったよ」

真斗「でも、玲奈ちゃん…。今後は事前に言ってほしい。今日みたいに突然言われても、使用人の人たちを困らせるだけだからね」

玲奈「はぁーい…」

真斗に注意されたのが嫌だったのか、何やら不満そうな様子の玲奈

ここは玲奈の嫁ぎ先ではあるが、あまりわがままを言い過ぎるのは印象が良くない

使用人たちが、次々と夕食を運んでくる

その使用人の中には、沙耶の姿も…

桜庭「本日の夕食は、サバの煮込みになります。骨がありますので、注意してくださいね。ご飯とお吸い物のおかわりは自由ですので、何かあればお申しつけください」

雅彦「ありがとう。では、いただきます」

3人「いただきます」

静かに食事を始める4人

沙耶「…」

給仕を担当する使用人たちは、主人である雅彦たちが食事を終えるまでは自分たちは食事が出来ない

4人が食事する姿を見守るのも、使用人の仕事なのだ

いつもなら苦痛には思わない時間でも、今日は玲奈が来ている…

それだけで、沙耶にとっては数十分の出来事が何時間もあるような感覚になる

沙耶「(玲奈と真斗が向かい合って食事している…。今までは、玲奈の場所に…私がいたはずなのに)」

無意識に沙耶の表情が曇っていき、顔色もあまり良くなくなる

沙耶の顔色が悪いことに気付いた桜庭は、片付けを他の使用人たちに任せて休むように言った

他の使用人たちが忙しそうに片付けを進める中、沙耶は外の空気を吸うために中庭にいた

あまり考えないようにしていたが、改めて真斗の隣に玲奈がいる姿を見るのは苦しい

出来れば、もうそんな2人の姿は見たくない

だが、この家の使用人として働く以上は避けられないこと…

それを覚悟して、近衛家の使用人になると決めたが…やはり現実は簡単ではない

そんなことを考えていると、玲奈と真斗の話声が聞こえてくる

玲奈「ねぇ、真斗。明日も来ていい？」

真斗「明日も！？」

玲奈「事前に言えばいいんでしょ？」

真斗「いいけど…。千香子さんが許してくれるの？」

玲奈「大丈夫だって。お母さん、21時までに帰ってくれば許すって言うし」

真斗「そう…」

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