好き、とは。

おまけ 1 ページ32

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『治ったらシよ？//』


あの時の俺は、まだ素直だったし、

あの時の太輔はまだピュアだった。





さて、

…いつからコイツはへんたいすけになったのだろう…









「ひーろー♡」


今、目の前にいる太輔は本当にあの頃と同一人物なのか(苦笑)

何処でも抱きついてくるわ、イチャイチャしたがるわ、変態だわ…





今目の前の太輔は俺にハグを求めている。







「はぁ…太輔寝ろよ、病人だろ。」


「ええ〜、ひろのケチ。」


「インフルだろ？寝ないと治んないよ。」


「ひろが側にいてくれたら治る。」


「…馬鹿か…(苦笑)…治るまで、俺に触るの禁止な。」


「は？無理に決まってんじゃん！！」


「ちょ、触んな、うつりたくない。」


「ひろぉ…(泣)」




今、太輔は絶賛インフル中です。




…ギャーギャーうるせぇ…(笑)






俺が太輔を避けると、分かりやすくしょぼん…っとする。

なんか、可愛い…(笑)







「…ったく…仕方ねぇなぁ…。」



布団からちょこんっと出てる手をぎゅうっと握る。




やっぱりその手は熱くてちょっとだけ心配になった。


流石に可哀想かな、なんて。






「…太輔が寝るまで側にいてやる。」


「っひろ…！」


「あっ、ちょっと…もうっ！！いいから寝ろぉ！！！！」




俺を襲って来ようとした太輔を無理やり寝かす。


ほんとに病人？！

コイツどこまで元気なの…！！




前言撤回。

少しも可哀想じゃねぇ！！








けど、すぐに寝息が聞こえてきた。


流石に太輔でもインフルはキツいんだろう。







「ふふ、かーわいい。」


ぎゅっと可愛らしく手を握りながら寝る寝顔は幼くて、子供みたい。

寝てる時は可愛いのに…(笑)




なんだかんだこんなコイツに俺は感謝でいっぱいなんだ。





俺の世界を変えてくれた。


可哀想だから、とか 傷付けたくないから付き合ってるなんて微塵も思わない。



なんだかんだコイツとぎゃーぎゃーと言い合うのは楽しい。


なんか心地よくて…幸せ。




太輔のおかけで本当の好きが何なのか分かった。




もしこの声が世界の端っこまで届くなら「ごめん」と叫ぶ、そう思ってた頃の俺はもういない。



そうだな、今だったらきっと…


「ありがとう。」かな。



けどきっと何も叫ばない。

そんな能力いらない。





コイツさえ隣にいれば。


へんたいすけ、これからも側にいてやる。

だから…太輔も、どうか俺のそばを離れないで。




fin.

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