好き、とは。

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どんどん都合よく俺は自分の中で言い聞かせてた。





『俺は、横尾さんが好き。』





自分の気持ちを作り変えながら…


俺はずっと横尾さんの傍にいた。







そんな日常の中、いきなりお前は現れた。









丸1日オフの普通の日。




こんな日は大倉とか、薮とか誰かしら誘ってどっかに行くんだけど生憎雨。








「はあ…」



雨だからか憂鬱な気分のまま、

ソファでぼーっとしてた。





何しよう…




買い物？

今買いたいものねぇし…


ご飯？

…でもご飯に行くにはまだ早いよな…






なにするにも、何かが足りない。

この物足りなさはなんなんだろ…。





「はあ…」



再び、大きく溜息をつく。


そうこうしてる間にも時間が過ぎてく。


時間が…過ぎてく…









「あーーーー！！もうっ！！！！」



流れていく時間に焦っていく自分がいる。

ぼーっとしてたって仕方ねぇ！




オフなのに何もしないなんて勿体ない。

こうやって、もやもやした気持ちのままでいるのは嫌いだ。






何かしよう。

なんでもいいから、何か。





そんな時目に入ったのは、俺が先ほど脱ぎ捨てた部屋着。


そーだ！！家事やればいいんだ！！






そう思うと何故かやる気が出てきた。




「おっし、やるぞーっ♪」


なんて腕捲りして、意気込んだものの…







「柔軟剤ってどれだ…？」


「スタートボタン…？」


「どーやって干すの…？」


「食器ってなにで洗えばいいの？」




なんとか洗濯機を回せても干し方分かんねぇし、
食器洗いしようにもどうやって洗っていいか分かんねぇし…




普段家事全般は横尾さんがやってくれてるから…


でも流石にここまで出来ないとは…(苦笑)







そして、最後には…




(ガシャーンっ)






「いったあ…っ」


皿を割って、指を怪我する。






もうほんっとついてねえ…(苦笑)







指からだらだら出る血。




「とりあえずティッシュ…！！」



さすがに、ティッシュの位置は分かるよ？(笑)

でも…





「絆創膏どこだよ…」




無駄に広いリビングを見渡して、俺は溜息をついた。

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