標的292 ページ6
殴られたツナは後ろに吹っ飛び倒れる。青ざめ慌てて駆け寄ると憤怒の表情を浮かべた笹川先輩がツナを見下ろしていた。
「やはり京子を巻き込んだことは許せん。……だがオレも男だ…この一発で次に進むことにする！！」
鼻をおさえながらツナは体を起こす。その手伝いをしつつ彼の顔を伺うと瞳に涙が滲んでいた。かなり痛かったらしい。
とここで獄寺さんが激昂した。笹川先輩にぶっ殺してやると言い放ち飛びかかろうとする。だがディーノさんに止められ動くに動けなかった。
「はなせ！！はなしやがれ跳ね馬ぁ！！」
「落ち着け！！とりあえず落ち着け獄寺！！！」
「……なんていうか…その…ある意味シュールな光景ですね」
ボソリと桃花がいうと静弥も少々怯えながらもコクリと頷く。
「あ、あの…おじさん、大丈夫？」
「え？あ、う、うん…ヘーキ」
「沢田綱吉。あなたはとりあえず鼻血を止めることに専念してください。ほらここをおさえて下向いて」
テキパキと指示を出す桃花にツナは言われるがままに行動する。少し経てば鼻血は無事に止まり、その頃には獄寺さんもほんの少しだが落ち着きを取り戻していた。
……取り戻した、といっても笹川先輩を睨みつけているのは今も健在であるが。
だけど私は知っている。このことがきっかけとなりみんなが変わり始めたことを。そしてチョイス当日を迎える頃には私たちの修業は完璧に仕上がっていた。
＊＊＊
「ついにチョイスがやってきたね」
真剣な面持ちで呟くは京子さんである。それに同意するかのように三浦さん、桃花、静弥が静かに頷く。
「っ。き、緊張してきたぁ！！」
「…そ、その割には…そのはしゃいでませんか？」
ワクワク。ドキドキ。ソワソワ。そういった感情が彼女達の表情から伺える。言葉と表情が噛み合って彼女達に少し笑ってしまった。
「とりあえずスパナさんと正一さんを起こしに行こうか！」
「そうですね。では私、静弥君、沢田珠代は入江正一を起こしに行きます」
「じゃあ私達はスパナさんだね！！」
「そうですね、京子ちゃん！」
「一応フライパンとおたまを持って行こうか！！」
「……起こし方が強烈すぎやしませんか、それ」
やれやれ、と桃花は肩を竦める。やめときなよーと言わないあたり、彼女達の提案に賛成らしい。
「よーし！起こしに行くぞー！！」
京子さんの言葉と同時に私達は手を掲げオー！と叫んだ(まあ桃花は顔を少し顰めてながらしていたが)。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミリア - 凄く良かった作品で続きが楽しみです。今後他の作品を作る予定があったら雲雀さんかツナの成り代わりか姉か妹か娘でコラボかトリップか転生した刀剣乱舞かワールドトリガーかアニメKかワンピースの作品が読んで見たいです。説明が下手ならすみません。今後も応援します (2018年11月24日 15時) (
レス) id: 9ed3e7f136 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
