臆病なウサギと男勝りのチーター【REBORN】６ (ページ46)

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「もちろん。いいですよ」

桃花の申し出に、別に用事もないので快く頷くと桃花の表情がパッと明るくなった。相当生徒会室に行ってみたかったらしい。

ツナ達に少し寄り道してから行くことを告げてから桃花を連れ生徒会室へと向かった。

　＊＊＊

「ここが…生徒会室……」

10年後の生徒会室は家具の配置が少し変わっているものの、部屋のつくりは全くかわっていなかった。目を輝かせながら辺りを見回す桃花は一歩生徒会室に踏み出す。

少し歩き回った後、満足したのか入り口で待っていた私に近寄ってきた。

「お待たせしました。もう大丈夫です」

「ええ。では行きましょうか」

桃花に笑いかけるとコクリと頷くのか見えたので2年A組の教室へ歩みを進める。そこで待っていると声をかけた時にツナに言われたからだ。

「……私が何故生徒会室に行ったのか聞かないのですか？」

少しして、桃花が恐る恐ると言った感じに聞いてきた。ふと視線を落とせば桃花がじっとこちらを見上げている。

「……聞きません」

なんとなく想像つくから。大方お姉ちゃんが昔過ごしたこの生徒会をこの目で見てみたかったと言ったところだろう。ニコリと笑うと桃花は何も言わずに前を向いてしまった。

お見通しだということが彼女にもわかったのだろう。そうですか、と素っ気なく返す桃花の耳がほんのり朱色に染まっていた。

2年A組の教室にやってくるとツナ達が教室の前で待っててくれた。私達にいち早く気付いた静弥がこっちこっちとばかりに手を振る。

「お、遅かったね。母さん、桃花！！」

「……そうですか？にしても静弥君。はしゃぎすぎですよ」

「ゔ。す、すみません……っ」

しょんぼりとする静弥に桃花は溜息を吐き静弥の頭を荒く撫で回した。まるで犬猫を可愛がるような手付きだ。うわああ。髪がぁあと叫ぶ静弥に桃花は小さく笑った。

「あ。そうだタマ。これから屋上に行こうと思うんだけど……一緒に行かない？」

「もちろん。行きます！！」

そして私達は屋上にやってきた。心地の良い風が私たちを出迎えるように吹く。

ここ最近は戦闘ばかりで心が休まる暇はなかった。だからこそ、こんな心地の良い風を感じると、忘れていた楽しい思い出がたくさん蘇る。

思わず目を閉じ感じているとふわりと心地よい風が頬を撫で髪がさらう。

「ねえねえツナ～～～」

不意にランボの声が聞こえて目を開ける。おしっこを漏らしたと涙目で言うランボにツナの口角が引きつった。

「んなー！！」