臆病なウサギと男勝りのチーター【REBORN】４ (ページ36)

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「よし。では円陣をいくぞ！！！」

ディーノさんは旧友に会いに行ったということで今回は欠席。こんな時にそんなとツナは眉を下げるが、円陣という笹川先輩の言葉にハッとした。

たった今、守護者戦が始まる前の恒例行事ともなっていることを思い出したのだろう。そうだね、と頷く。

しかし、クロームは「そんなのはいらない」と「行ってきます」と告げ私達に背を向けた。フィールドに踏み込むクロームに山本さんは苦笑いを浮かべる。

「今回の戦闘フィールドは体育館全てで館内の物は何を使っても構いません」

「尚このフィールドには特殊装置は用意されておりませんのであしからず」

「え……？」

「な、何もないのですか……？」

なんで？と疑問符を浮かべる私達に対し、リボーンは言う。霧の守護者の特性には余計なものは必要ないのだと。

「無いものを在るものとし、在るものを無いものとすることで、敵を惑わしファミリーの実体を掴まえせないまやかしの幻影。それが霧の守護者の使命ですわ」

「観覧席は同じ館内の指定スペース内とします」

「嵐戦と同じように赤外線感知式レーザーが設置されますので気をつけてください」

それって確か触れれば失格になると言う、あの…？

赤外線なので何もないように見えるが、空から振ってきた檻でそこにあるのだと知る。

「それでは霧の対戦。マーモンVS.クローム髑髏勝負開始！！！」

先手をうったのはクロームだった。頭上で三叉槍を3、4回振り回すと静かに後端を床についた。

刹那、後端をついた部分がビキッと音を奏で床が崩壊し始める。ドゴゴという地響きが轟く中、ギョッとする私はお姉ちゃんにしがみついた。

「うわ！床がぁ！！」

「バカツナめ。お前はこの技を知ってるぞ」

「ひいい！！うわああ！！」

ツナが悲鳴をあげたその時、きゃあっという可愛らしい悲鳴が聞こえた。ふとそちらに視線を向けると無数の触手がマーモンのフードの中から伸びクロームの首を絞める。

幻術が解けたようだ。床がフッと元に戻る。よかったと思うのと同時に苦しそうにもがく彼女が視界に映った。

「あぁっ」

「そんな…！」

「弱すぎるね。見世物にもなりゃしない」

「誰に話してるの？」

コツ。靴底が鳴り響く。え、と私達は目を丸くした。首を締め付けられていたはずのクロームが霧散したのだ。そのかわりにバスケットボールのカゴが触手に締め付けられている。

では本物はどこだと目を泳がせた時、マーモンの背後に突如現れた。