臆病なウサギと男勝りのチーター【REBORN】４ (ページ4)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:8,071 hit

標的146 ページ4

「そろそろ頃合だぜ。お前の本当の力を見せてやれ了平」

「今更誰が何を言ってもムダよ。この子はもう終わり。いただくわ」

左腕を抑え激痛に耐える笹川先輩はコロネロを呼ぶ。その言葉を待っていたと血に濡れた左手から手を外す彼はゆっくりと立ち上がった。

そんな彼にツナが大丈夫なの…と心配そうな声が上げる。

「シューシュー汗が蒸発してるぜ…」

「あなたと私じゃ肉体の出来が違うの。灼熱のライトの中ではもう持たないでしょうに。

さっさと死んで私の死体コレクションになりなさいな」

なんて小指を立てるルッスーリア。その表情は余裕綽々なのか、焦り一つ見られない。そんな彼に笹川先輩がまだだ、と声を張った。

「立ってもいいことないわよ。あなたのパンチは通用しないんだから」

「ああ…確かに通用しなかった…左はな…」

左拳を見せる笹川先輩にリボーンは何か思い出したかように「そーいや」と零した。

「フゥ太達左しか撃ってねーな」

「え！？」

「そうだ。右は一度も撃ってねーぜ、コラ」

「で…でもなんで…？」

「一つは細胞を休めてベストな状態に持っていく目的がある。もう一つは奴が晴の守護者だからだ」

「この右拳は圧倒的不利をはね返すためにある！」

拳を強く握り言い放つ彼にルッスーリアは滑稽だと笑ってみせた。何がおかしいと憤慨する笹川先輩に軽やかに彼はフットワークを始める。

「あなたの温存してるパンチがどれほどのものか知らないけど当たらないと意味がないのよ」

ルッスーリアの言う通りだ。確かに当たらなければ意味がない。

ルッスーリアの拳が笹川先輩にヒットした。目を開くことができない彼はドシャッと地面に倒れてしまう。そんな彼にツナは「お兄さん！」と名を叫んだ。

大丈夫だと笹川先輩はヨロケながらも立ち上がる。

「いくぞ…」

右拳を構える笹川先輩。精神統一を図っているのか呼吸の乱れが徐々におさまっていく。

笹川先輩の後ろから横へと移動するルッスーリア。見えていないというのに彼の気配を捉えた笹川先輩は叫んだ。左足に力を込めて。
　
「うおぉお！極限太陽(マキシムキャノン)！！！」

見事に彼の顎に笹川先輩の拳が入った。吹っ飛ぶ彼。その衝撃は彼のサングラスにヒビが入るほどだった。

だが彼は空中でしっかりと体勢を整えると綺麗に着地を決める。

「クリティカルヒットしてたらちょっとやばかったかしら」