臆病なウサギと男勝りのチーター【REBORN】４ (ページ30)

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オロオロとする私を尻目にお姉ちゃんはそう宣言すると片っ端からトンファーを振りまくった。

彼女の目的は犯罪者の目を自分へ向けることだろう。私を守るために。

お姉ちゃん、と零した声は、奴を殺せーーっという的な声でかき消された。

……私はまた彼女の手によって守られるのだろうか。

もう何度も何度も何度も彼女の手によって守られ彼女の存在によって支えられてきた。そんな彼女の恩返しすら私はまともにできないのだろうか。

ネガティブ思考になりかけた時……ふっとリリアンヌ師匠の顔が脳裏に浮かんだ。

……違う。心の中で叫ぶ。私は変わった。変われたんだ、他ならぬリリアンヌ師匠のおかげで。

だから今度は……今度こそ私は…！！！

恐怖で足が竦み、全身が小刻みに震える。プルプルと震える手で腰に下げている私の武器に手を伸ばす私は目の前の敵を睨みつけた。

私の武器は薙刀だ。しかしただの薙刀ではなく、先端(刃)と(折りたたみ式の)棒の部分が取り外し可能となっている使い勝手のよい武器だ。

そんな便利な薙刀を構える私は会長さんと名を呼んだ。お姉ちゃんはハッとしてこっちを見る。戦いに集中し過ぎて私のことを忘れてた……らしい。ちょっと悲しいと思ったのは秘密だ。

「っ。タマ……君は大人しくしてなよ。このぐらいの相手、僕が……！！」

「いいえ。いいえ会長さん。私も戦います」

何のために修業をしてきたと思っている。私一人でも大丈夫なように師匠が色々と教えてくれた。

武器の振り方、敵の動向、攻撃の避け方、からの攻撃法。他にも習ったが、キリがないので大体なこんな感じ。ホント、感謝してもしきれない。

師匠、リリアンヌ師匠……ありがとうございます。ようやくお姉ちゃんと肩並べて戦えます。

「っ、タマ！！」

聞き分けのない子供を叱るように名を呼ばれる。いつもの私ならここで引き下がっていたことだろう。

しかし、今の私は違う。

「私だって……戦えます！！」

と言っても人を殺すのは流石に無理だが。

さて、と私はざっと見渡し「100、150ぐらいか」と呟く。流石お姉ちゃん。この短時間で約50人のやっつけたみたいだ。

今いる敵の頭数は大体わかった。体力的に考えて私はお姉ちゃんよりも劣るだろう。

けど一人でも多く、敵を倒す。お姉ちゃんの負担を減らせるぐらいは出来るはずだ。

私は目の前の敵に斬りかかった。