臆病なウサギと男勝りのチーター【REBORN】４ (ページ24)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:8,072 hit

標的166 ページ24

「ゔお"ぉい小僧！！何故防御の後打ちこんでこなかった！！愚かなアホがぁ！オレに唯一傷をつけることができた最後のチャンスを潰したんだぞぉ！！」

「え……？」

「最後のチャンス…！？」

ハタからみればスクアーロの発言は負け惜しみだ。だが余裕の表情を崩さないヴァリアーに私は疑問を感じた。あのフード付きのマントを被る赤ん坊が何か確信した、と言ったが何を確信したのだろう。

スクリーンにハハッと笑う山本さんの顔が映し出される。

「最後って…ずいぶん言ってくれるな。言っとくけど時雨蒼燕流はこれだけじゃないぜ」

「そうだぞ。時雨蒼燕流は、守型四式攻型四式の状況に合わせた八つの型が存在するんだ」

スッ、と山本さんが刀を構えた……と思った。一歩踏み出し攻めに興じた。山本さんはスクアーロに近づきながらも刀を力強く掴み、奥歯を噛みしめる。

ヒュッと素早い動きでスクアーロに斬りつける。もちろん、スクアーロは片手についている刀で防ぐ。がその振るった手には刀は握られておらず山本の反対の手がしっかりと握っていた。

「時雨蒼燕流、攻式五の型」

そしてその手のままに刀を横一線に振るう。“五月雨”と山本さんは声を零した。

「い…今のは…っ」

「五月雨。一太刀のうちに刀の持ち手を入れ替え軌道とタイミングをずらす。変幻自在の斬撃だ」

「ま…まーまーやるじゃねーか」

「すげぇ…山本…」

感心したように呟くツナだったがゔお"ぉいというスク泡のの言葉に息を呑んだ。

ザバァ！！と大きな波を立て倒れた筈のスクアーロだが効かねぇぞ、と再び立ち上がった。

「あり…？」

「スクアーロは無傷だ…！！」

「な…なんで！？」

「い…今の…間違いなく当たっていたのでは……」

「タマ、このぐらいの攻撃を見切れないなんてお馬鹿ですの？」

ゔ……そ、そう言われると結構胸にきます…師匠。

スクアーロは一瞬山本の刀の軌道に合わせ身を引いたのですわ」
　
「流石リリアンヌだな。その通りだ」

「褒めても何も出ませんわよ」
　
「そんなことって…」
　
「奴に動きを読まれていたとしか考えらんねーな」

「しかし拙者が見る限り山本殿の持ち手を替えるためのモーションの不自然さは見当たりませんでしたよ」
　
「じゃ…じゃあどうして……！？」

疑問を投げかけるツナだったが、応える人は誰もいなかった。

　
「お前の使う無敵の流派とやらはこんなものかぁ！？」

不敵な笑みを浮かべるスクアーロが山本さんに問いかける。