生きるスマホ。‐the smart story‐

名前 ページ4

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「なんか、名前ダサいね(笑)」


「お前が考えたんだろうが！ ……ってことで、今日から俺はこのスマホに住み着くことになったから、よろしく」


「は、はい!? そんな勝手に言われても、困るんですけど！」


「心配しなくてもいい。そう不気味なことじゃない」


「いや、あんたと今会話してるってこと自体が不気味そのものなんだけど」


「あなたじゃない、ワイノだ」


「ワイノは、男？ 女？」


「どちらとも言えない」


「そっか、ハーフか！」


「違う！ 俺は犬型だから、正確に言えばオスだ」


「なるほど……」


「俺達は一種のウイルスみたいなもんだ。不特定のスマホにさっきみたいなメールが送られて、ダウンロードされた所に住み着く」


「なんか、あたしにメリットはあるわけ？」


「日々が楽しくなる」


「ほんとに？」


「俺のな」


「……アンインストールしてやる」


「一回住み着いちゃったものは、一年たたないと契約破棄できないんだなぁ、これが」


「一年!?」


「おう。ってことで、改めてよろしくな！」


「よ、よろしく……」


そんなこんなで、私とワイノとかいう犬型スマホとの奇妙な生活が始まった。

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